THE SHE

DIARY

2021 / Mar

3月21日(日)

 すっきりと元気になった。でも、土曜日の午後から日曜の朝までほぼ寝ていたため、起きたら顔が大福のようにもっちゃりとしていて超焦る。なぜならこの日はあるブランドのオンライン配信のモデレーターを務めることになっていたからだ。出かける予定のあった娘にお弁当を作った後、こ、これはやばい…と朝からバスソルトを入れまくって半身浴。付け焼き刃のフェイスマッサージ。それでいてお風呂の中で漫画を2冊読むという至福の時間でもあった。時間ギリギリまで入っていたためか、塩を入れすぎたのか早く着替えなきゃいけないのに発汗が止まらないという事態。しっかりしろ、私!早く洋服を着て出かけねば。しかし汗は止まらない。何をやっているのだろうか…。マンガ足(足を高速回転させるアレ)で会場へ飛び込んだらば、想像以上の配信体制。てっきりインスタライブくらいかと思っていたのに、こ、これは…と今度は密かに冷や汗。何とか役目を果たし、ヘトヘトで帰宅。当然のごとく、風邪がぶり返す。

3月20日(土)

 春分の日、節目、春の始まり。ウキウキといきたいところだが、安静にできなかったためか土曜日に完全にダウン。週末とか年末に寝込む。働く人あるある、である。午後からずーっと寝続ける。この時期はすわコロナかとビクビクしながら携帯で調べてしまうのがストレス。結果的には疲労と生理も重なってのことだったが、まあ、デトックスできたということで。

3月19日(金)

 昨日、THE SHEのオーガニックハンドスプレーを一緒に作ってくれたファーメンステーションの酒井さんと会う。墨田区にある会社へ。スタートアップのユニークな会社ばかりが集まっているという、倉庫のような面白いビルでサンフランシスコのようだった。今週はとにかく原稿が詰まりまくっており、深夜まで書きまくる。早く脱稿したいよ…。

3月18日(木)

 文藝春秋社から贈呈本を受け取る。内田也哉子さんと中野信子さんの共作『なんで家族を続けるの?』だ。以前、内田也哉子さんと一緒に撮影した際の写真を表紙に使いたいと言ってもらったのだ。こんな形で自分がディレクションした撮影の写真が新書の表紙になるというのは初めての経験で、とても嬉しかった。也哉子さんは穏やかで聡明で、インタビューをしながら何度か鳥肌が立ったことを思い出しながら、拝読。

3月17日(水)

 午前中に赤坂のテレビ局へ打ち合わせへ。色々とお話伺い、事務所へ戻ってからもう一本の打ち合わせ。しゃべっているうちに滝のように鼻水が出てきて、これはいかん…と思い、家に戻らずそのまま事務所で泊まり、自主隔離。結果的にはコロナでもなんでもなかったのだけれど、ちょっと体調が悪いと敏感になる。それが嫌だなあ。重めの入稿も全く進まず、さっさと寝ることに。

3月16日(火)

 最近、一緒に仕事をするスタッフの中で1番年上ということが増えてきた。そりゃ、そうか。初めて仕事をするカメラマンの女性は24歳。打ち合わせに行ったらピンクヘアで、古着屋で1000円で買ったという懐かしいcoachのバッグを持っていて、新鮮で可愛かった。年下の人たちと仕事をするのは本当に楽しくて、勉強になって、もう一回言うけど本当に楽しい。自分が積み上げてきたものをなくすわけではないけれど、当たり前だと思っていたことにしがみつくのは嫌だな。えー、面白い、なにそれ?教えて!の精神で。こんな時は好奇心が青天井でよかったと思う。

3月15日(月)

 完全に風邪がうつった。まあ、子供が風邪を引くと病原菌が目の前、粘膜から1cmという位置にあるという感じだから当たり前か。朝からパソコン前に座り続け入稿とPC作業。夕方は久しぶりにフィジカルなショーの取材のため、有明へ。いつもはパリで見ていたJUNYA WATANABEを、今日は東京で。帰りに長年一緒にショーを回っていた仲間の一人、TFP編集長の合六ちゃんと一緒に帰路へ。いつの間にか我等も母になり、あの自由な時間はなくなったけれど、会えばいつでも腹を割って、仕事もプライベートも話せる仲間。つくづく友達には恵まれているなと思う。

3月14日(日)

 娘の風邪は軽く、熱も下がり元気。引き続き、家でのんびりの日。世はホワイトデーだということだけど、完全に忘れていた。というか忘れられていた。

3月13日(土)

 昨日から花粉症の鼻水がひどいんじゃないの? と思っていた娘が、花粉症ではなくて風邪だった。ほっぺが赤くなり、目が深い二重になり、どんどん熱顔になっていく。かわいそうに…。塾に習い事にと頑張っている娘、週末はのんびりしましょう。なぜか2人で『白い巨塔』を観ることとなる。「財前、かっこいい。でも財前、悪者?」「悪いというかずるい? いや、ずるいというか出世のプライオリティが高くて…」「里見先生はすごいな。」「すごいよ、なかなか出来るもんじゃない。つまりこれはどう生きるかというドラマでねえ、財前だって悪いわけじゃないんだよ。自分がどちら側で生きていきたいか、生くべきかを考えてみて。村上春樹という小説家が、壁と卵の話をしたんだけどね・・・」などと暑苦しく説いているうちに、その私の熱意に動かされたのか、風邪だけがこちらにうつった。

3月12日(金)

 事務所近くのコンビニで買い物をしてレジに並んでいたら、一つ前に並んだ20代前半の男性が先にどうぞと言う。あ、いいんですか?すみませんと先にお会計をしていたら、その男性は私の隣のレジへ進んだ。「あの、あの、いつもここで働いてますよね。名前聞いてもいいですか?」「あ、●●●です。」「はい、あの、また来ます!」きゃーっ!  なに、そっちのレジに行きたかったからなの? 恋、恋が、恋が始まるのか! その男性が帰った後に私の買い物担当だったバイト仲間の男の子も「えー、告白?」ときゃっきゃしている。お願い、私も仲間に入れて…。はー、いいものを見たぁとなんだかウキウキした気持ちで事務所へ戻る。仕事の関係でabema TVでやっている『オオカミクンには騙されない』シリーズを見ることになり、若者たちの片思いやら両思いやら、なんやらに思いの外、涙を流す43歳。どんだけ…と自らにツッコミを入れる。よく言えばかなりの共感力、ということでここはひとつお許しを。坂元裕二の脚本が好きということもあり、仕事がひと段落ついたら『花束みたいな恋をした』を観に行きたいのだが、あらすじを少し読んで、SNSの反応を読んで、これは多分、涙腺と感情がとんでもないことになりそうだと思い、絶対に一人で観に行くことだけは決めている。

3月11日(木)

今年に入り、なんだか息つく暇なく忙しい日々。日記が遅れ始めているが…ちょっとずつ巻き返そう。放課後、バスに乗って仕事場まで来る娘が今から向かうよという報告とともに今日、学校で黙祷をしたと教えてくれた。ママも黙祷したよと返事をして娘を待つ間に、3.11に思いを馳せた。あの日、私は神保町の集英社にいた。4月から保育園入園が決まり、仕事復帰に向けて動き始めていた時で、娘を連れて、お世話になっている編集部へ挨拶に行った。生後4ヶ月の娘を抱っこヒモで抱っこして、わあ、連れてきてくれたの、とか、いやーさっさと保育園が決まったので、ぼちぼち働きますーとか、久しぶりに会う仕事仲間を前に「というわけで、復帰しま….」くらいで大きく揺れた。大きいね、あれ、長いね、あれ、大きいな!!!と言っているうちに、出版社だから棚や机の上にある本や雑誌、紙資料がどんどん倒れてきた。みんなが赤ん坊連れの私を優先してくれ、机の下に真っ先に入れてくれた。机の下に入りながら、胸の中にいる娘と目が合う。もしかして死ぬ? この命をどう守ればいい? と、とにかく頭だけがカッと熱くなった。テレビをつけて皆で呆然とした。よりによってこんな日に赤ん坊を連れてきてしまった私に皆、優しく、代わる代わる抱っこしてあやしてくれた。この日、娘の初節句を祝うために上京していた両親と、夫と渋谷で落ち合うため、意を決して、何人かと一緒に歩いて帰ることに。途中で授乳を2回したので、多分5時間弱歩いたはず。外苑前の銀杏並木あたりでカメラマンのつゆポンが車に乗せてくれて、ホッとしたのを覚えている。その後はもうひたすら、心配とストレスをためずに母乳を出すということに徹していた。あれから10年。あの日を境に日本はどんどん変わっていった気がする。ぎゅうっと蓋をして見て見ないふりをしていた事柄がどんどん明るみに出たのではないだろうか。悲観しすぎずに、でもおかしいことにはしっかり怒って、とにかく元気に働き、社会と繋がっていこうと思う。娘は10歳になった。

3月10日(水)

 今日は朝から撮影。大好きなショップでの撮影で、途中で出勤してきたショップスタッフの方が着ているセットアップがものすごく素敵で思わずお揃いを取り寄せてもらうことに。捕らぬ狸の皮算用的な買い物であることは確かである。しかし身銭を切らぬことにはいい企画には仕上がらない、とかなんとか言いながら実際のところはウキウキとした気持ちが抑えられなかったに過ぎない。外は雲ひとつないほどの快晴。神南エリアから、クライアントのオフィスがある原宿まで皆で歩いて移動。すごく爽快で気持ちのいい時間だった。

3月9日(火)

 今日もひたすらPCに向かって作業&入稿。座ってばかりで血の巡りの悪さを感じる。夜、娘の習い事が終わったのが7時。閉店の1時間で久しぶりにささっと焼肉を食べよう♡ということになり、大して味わう暇もなくガツガツと食べ終わってお会計。2人だから5000円くらいで、払おうと思ったら財布がない。最近は電子マネー一辺倒で、夜まで財布を持っていないことに気づかない始末。「えーと、電子マネーは使えますか? あ、使えない、ですよね。えーと…ちょっと財布を忘れまして、えーどうしようかな…」と店員さんの冷たい目を浴びながら焦りまくっていたら、焼肉用のエプロンを外しながら、娘が一言。「私、持ってるよ。」なにっ!!! 「今日、バスでママの事務所に来たから、お財布持ってる。この前、さやかちゃん(我が妹)にもらったお年玉、入れてある。」とのこと。ありがたく、キキララのお財布よりお借りした。頼れる娘。

3月8日(月)

 Zoomミーティング&締め切り2本の日。終わらせてダッシュで+IPPO PROJECT最終日のツイギーへ、撤収作業へと向かう。予想を大きく上回る売上を達成することができて、本当に嬉しかった。足を運んでくださった皆さん、ありがとうございました。撤収を終え、ダッシュで帰宅。週始めからチャチャっとした晩御飯しか作れず…。いかん、いかん。それでも今日は、無事にバザーを終えられた達成感の方が大きい。楽しんで続けていきたい。

3月7日(日)

 バザー2日目。今日は昼からの参加。昨日、130点ほど売れてしまったので少し心配だったけれど、引き続き、たくさん買ってくださったのでホッとした。閉店間近に妹と妹の友達、みさきちゃんが来てくれて、いきなり阿波弁になってしまう。今日は昨日とうって変わって肌寒く、換気のために扉を開けっ放しにしていたため、コートを着ての接客。忙しい一週間だったけれど、とても充実した気分。昨日に引き続き、帰宅後に泥のように眠る。

3月6日(土)

神宮前にあるヘアサロン、ツイギーのギャラリースペースをお借りして、+IPPO PROJETのバザー。THE SHEでのオンラインバザーを含めると三回目となる。土、日、月の3日間の開催予定で、私は土日、店頭に立つことに。一緒にこのプロジェクトをやっているスタイリストの百合子、フリーPRの枝ちゃん、百合子のアシスタントのセキコ、うちのエリナちゃんでエッサホイサと運び込み、特急で並べる。オープン前から並んでくださった方もいて、とてもありがたい。うちの娘も大張り切りで、フクロウのホーというぬいぐるみを持ち込んで売り物の帽子をかぶらせたり、接客したり、道に立って「バザーやってまーす」と呼び込みをしたりと大活躍。ありがとう。先日、ツイギーの松浦美穂さんのラジオに、ゆずりはの亜美さんと私で出演させていただいたのだけれど、今日がオンエア日。皆で聞く。このプロジェクトを知ってもらうためにはどんどん取材も受けたい。しかしその音声を聴くと、考えながら話している時、やたらと「えー」と言っている。「えー、つまりは」「えー、そもそも」など。ちなみに、過去、動画での出演の際は、考える時に上を向いてほぼ白目になっていることが多々、あった。「えー」と「白目」には今後、気をつけたい。初日はひっきりなしにお客さんが来てくださって、予想以上に売り上げることができた。ありがとうございます。THE SHEでお買い物している、いつもコラムを見ていると言ってくださる方たちもいらしてくれて、いろいろとお話できたことも幸せでした。7時に終わり、家に戻って泥のように眠る。

3月5日(金)

 お昼に久しぶりにスタイリストの佳世と渋谷でランチ。同い年で、同時期ではないがロンドン在住歴があり。仕事もたくさん一緒にしてきたし、悩みがあればいつも相談しあってきた同志のような存在。コロナもあって連絡はとっていたものの、対面で会うのは本当に久しぶりだった。生き方とか仕事のスタンスとか、これからのこととかたくさん話し、励まし合って解散。仲間はいいね。佳世は今までになくショートカットになっていて、私は人生初のオレンジ頭。40代の自由という証なのか、自分を鼓舞するためなのか。さて、どっちだ。過去でも未来でもなく、とにかく今を大切にしたいと渋谷の喧騒をくぐり抜けながら思った。

3月4日(木)

 朝、SACHIと2人で展示会へ足を運んだ後、週末に控えたツイギーでの+IPPO PROJECTのリアルバザーのための準備。最終的に総勢28名の、ファッションに携わる仕事をしている方々が洋服や雑貨を寄付してくださいました。本当にありがたい。少しでも多くの募金へと変えられるよう、精一杯楽しんで頑張りたいと思う。娘をバレエ教室へ送り出した後に、打ち合わせのため原宿へ。来週の撮影に向けて、いろいろと企画を詰める。帰る頃にはすっかりとあたりが暗くなっていたけれど、それでも大分、日が長くなったと感じる。コロナが収束して、若者の街、原宿にも早く活気が戻りますようにと思いながら、帰路を急いだ。

3月3日(水)

 ひな祭り。今日の撮影もとても楽しかった。久しぶりに少し遠出をし、スタジオの中から海を見た。旅へ行きたい思いは募る。夜はひな祭りだからちらし寿司とお吸い物。すくすくと育っている娘がこの先も引き続き、すくすく育ちますように。

3月2日(火)

午前中からTHE SHEの物撮りの日。かわいいアイテムが続々と入ってきて、楽しみ。明日は久しぶりに早朝、ロケバスのピックアップがあるため、娘が寝てから事務所へ。4時半起きなので早く寝ようと思う時に限って本を読んだり、Netflixをチラ見したり。

3月1日(月)

 ハロー3月。ひな祭り、桜とピンクの季節。緊急事態は無事に解除されるのか、否か。君とお別れする頃にはきっとコートも脱ぎ捨てていることでしょう。その頃には、一歩でも気持ちが前に進めていますように。今日は朝から大人数の前でプレゼンのため、起きてからそわそわと落ち着かない。さらに髪の毛をオレンジ色にしたてで、そわそわが倍増。クライアントさんのオフィスに着いてみたらば予想以上の人数の前でしゃべることが判明。マスクの下の口がカサカサになるまでしゃべり倒して事務所へ戻る。完全に交感神経が優位になっていたため、そのまま続いてものすごい勢いでPC作業や、THE SHEの着用写真の撮影など。先に事務所に来ていたサチとえりちゃんが「髪!!!」と驚いていた。自分ですら、鏡を見て「髪!!!」とまだ驚くのだから当然か。晩御飯は体に優しいものが食べたくて、野菜と白身魚、牡蠣、きのこ類、豚肉などをたっぷりと入れたお鍋にした。

2月28日(日)

 ありがとう、さようなら2月。あまりに早くいなくなってしまって、寂しい。できればもう少しだけ側にいたかったけれど、時は決して待ってくれない。いつか、いつかいい思い出にできますように。ってくらいにあっという間だったよ。気分をビシッと変えるため、髪の毛をブリーチしてオレンジ色にした。娘に「やーーーー!!!ちょっと、なんで、なんでっ。もーーーー!」と叱られる。春休みが始まる前にある、最後の保護者会までにはせめて茶色に戻してほしい。うちのクラスのお母さんは真面目な人ばかりだからと言われた。彼氏、夫などの類であれば「いいじゃん、好きにさせてよ。そんな私を好きでいてよ」というところだが、娘に言われると弱い。3週間ですっかり元通りになっていそうな気もしている。

2月27日(土)

 今日も楽しみにしていた『俺の家の話』の録画をじっくりと観る。すっかり長瀬くんのファンになっている単純な私。同年代の友達が、長瀬くんの最後の?主演を慈しむように観ていると言っており、少し納得。しかし「推し」とは尊い。私は特定の誰かにどっぷりお金とつぎ込んだりした経験がないが、この時代に誰かの生きる大きなパワーになっていることは間違いない。芥川賞を受賞した『推し、燃ゆ』もとても面白かったし、作者の宇佐見りんの推しが中上健次というのもとてもよい。

2月26日(金)

午前中は来週に控えたプレゼンのための、最後の打ち合わせ。なんとか形になったかなと思いながら、事務所へ戻り、事務作業など。気づけば2月最後の平日。なにかの冗談か? と思うくらいのスピードで終わった。誰かがツイッターで「2月ってなんで28日しかないの? 鬼に食べられたの?」と書いていて、なんだかいいなあと思った。

2月25日(木)

 今日締め切りの提出物やら、打ち合わせのための資料のまとめやらを必死で終わらせて、午後から打ち合わせが2本。喋りすぎて喉がガラガラである。打ち合わせ中に、前の会社の先輩とばったり。聞けばもう娘さんが22歳だとか。ひゃ〜、時の流れ〜。いつまでもバリバリと働いていて嬉しいやら、尊敬するやら。いつ会ってもニコニコと話しかけてくれて嬉しい。急ぎ、事務所に戻り、娘の髪の毛をバレエ仕様に結わえてダッシュで送り込む。夜は家族が娘担当のため、事務所で一人、深々と考え事や仕事など。考えても仕方がないことを深々と考えてしまう。分からないことがある、解決できないことがあるということが生きるということなのかもしれないなと思いながら、長風呂。