THE SHE

DIARY

2020 / Oct

10月28日(水)

 今日は午前中からプロデューサーのサチ、アシスタントのエリナちゃんとTHE SHEの撮影。中目黒にある、フォトグラファー古家さんのスタジオへ。古家さんのスタジオの隣には、旦那さんが経営している小さなコーヒースタンドがあり、淹れたての美味しいコーヒーをいつでも飲める。これは嬉しい。ブラックは苦くて飲めないので、ミルクたっぷりのカフェラテにしてもらう。通りから一本入った小さなスタジオは、中目黒とは思えない静かでのんびりとした環境で、コーヒーを飲みに来たお客さんがスタンドの外の小さな椅子に座って休憩をしていたりして、なんだかとても良い気が流れていた。お昼は近所のインドカレー屋へ。ピンクの内装や、インド映画をループで映したテレビを見て、ロンドンを思い出す。サチと初めて会ったのもこんなインド料理屋だったよね、あれ、どこにあった店だっけ? とか、アメリカ大統領選などの話をしながら、皆でランチ。帰宅して、夕飯を作ったり、塾や学校の宿題をする娘と横並びに座ってパソコンで作業。台所の洗い物に着手できずに寝落ち。ああ、日常が戻ってきた。

10月27日(火)

 いよいよ、東京へ戻る日。昼に「はやしのお好み焼き」で食べ、食後は「滝のおやき」で甘味を堪能。私的、ソウルフードのフルコース。ともにお土産に持って帰る。
 そのあと、97歳で元気に一人暮らしをしている祖母宅を訪ねたら、「これを持って帰り。」と小さな荷物を渡される。見れば、きっとずっと捨てずに取っておいたであろう髙島屋の包み紙に包まれていたタッパの中に、さらに半紙で包まれたしんこ巻きが3本。包み紙にはひ孫(我が娘)のためのポチ袋がセロハンテープで貼られていた。私はもう、なんだか胸がいっぱいになってしまって、心の中で泣いたなあ。この小包の可愛さは絶対に祖母でなくては作れない可愛さで、祖母の長く生きてきた歴史や、行き方そのものが物体になって現れたようなもので、本当に感動してしまった。それに加えて、みかんや柿、サツマイモ、そば米(名産)など言われるがままにカバンに詰め込んだら、空港で測ってびっくり、総量が7キロになっていた。おばあちゃん、ありがとう。お陰で私は元気です。
 急いで家に帰ると、近所に住む写真家の平野太呂さんが来ていて、さっそく「はやしのお好み焼き」をおすそ分け。さて、また東京で頑張ろうではないか。

10月26日(月)

 今日は実家から一歩も出ずに入稿作業。家事、育児をなんにもせずに仕事だけに没頭できるとはなんという贅沢か! 足元には娘が「寄り添う毛」と呼ぶ、トイプーのきなこが確かにぴったりと寄り添ってくれている。なんという幸せか! 書いて、時々そのまま寝たり、母がお茶を入れてくれたりして過ごす。あー、もしかしてリモートワークが主流になるのならば、たまに帰省してのこれ、できるんじゃないか? ダメです、娘もいるし…。私が帰るまで両親が待ち構えていたらしき、メール設定の変更やら、電子マネーへの還付やら、オンライン上の手続きを色々と済ませて、役に立った気分。

10月25日(日)

 小説家の朝吹真理子さんの講演会にお邪魔した後、夜にこれまた久しぶりに中高時代の友達に会う。そのうちの一人はなんと高校の卒業式以来で、ずっと会いたかった友達で、なんだかもう興奮してしまった。実に25年ぶりだというのに、あっという間に教室にいる自分に戻って、脳内では4人とも制服を着ていた。中高一貫校だから6年分の思い出を共有はしているけれど、感じ方はもちろんそれぞれだから、時を経て答え合わせをしているようだったり、25年という長い年月が瞬間的に縮んで、時空が歪むような不思議で幸せな感覚があった。生きているだけで、いい。くだらない思い出話に花を咲かせて笑いながらも、心の中でそんな風に思った。話していて久しぶりに思い出したことといえば、中1のときに泊まりで海洋研修に行ったとき、海に引っ掛けて魚柄のパジャマを買ったこととか、パンの自動販売機に手をはさまれた友達がいたとか、本当にくだらないことだったけれど、お腹を抱えて笑った。

10月24日(土)

 お正月ぶり、実にほぼ10か月ぶりに実家のある徳島へ帰る。こんなにも実家に帰らないなんて、ロンドンで暮らしていた時以来だ。いや、それでも両親が遊びに来たりはしていたので、こんなに直に会っていないのはやっぱり初めてた。しかも今回は少しだけ仕事関連で帰るので、娘を置いて一人での帰省。100%、子供の気分で帰る。わーい、徳島だー。嬉しいな。夜は講演会で徳島へ来ていた小説家の朝吹真理子さん夫婦とお寿司。真理子さんと一緒に、故郷のなじみの店でご飯を食べられるとはこれまた嬉しい。張り切って正装していた両親と、帰省でカジュアルな私との装いの差よ。徳島の方言やB級グルメ、阿波踊り、炭水化物の重ね食べ、剣山に眠る秘宝の話などを話して食べて、本当に楽しい夜だった。帰宅し、これまた10か月ぶりに我が家のアイドル、がっしり体型のトイプードル、きなこと狂喜乱舞の再会。ただいま、徳島!

10月23日(金)

 ひえー、もう金! 今日は短めのやつ2つと長いやつ1つ、つまり締め切りが3つある。朝からせっせと入稿し、放課後に事務所へやってきた娘の髪の毛をどうにかこうにかお団子にしてバレエへ送り出す。帰りは同じバレエ教室に通う、友達のもっちゃんが車で娘を送ってきてくれて非常に助かりました。友よ、神! 娘がバレエへ行っている間に、近所に住むママ友のさゆりと、さゆりのヘルプで上京していたさゆりママが2人で事務所へ立ち寄ってくれた。THE SHEで売っている<サオ>のバッグを愛用してくれているさゆりママが2つ目を購入してくれるとのことで、あれこれとおすすめを説明する。2人が帰る時間になり、離れがたくてそのままふらふらと一緒に外へ出て、なぜかさゆりの家まで送って行き、そのまま上がりこんで、さゆりママがさゆり家族にせっせと作ったであろう、貴重な作り置きご飯をまんまと持たせてもらい、「原稿頑張って」と励まされて帰宅。みなさんのおかげで生かされている私だなあとしみじみ。少しおしゃべりしただけでバイバイしたからか、実の娘でもないのに、非常にさゆりママロス。「次にさゆりをヘルプしに来た時は絶対に前もって教えてください。私もご飯食べにくるんで。」と図々しくお願いしておいた。70歳のさゆりママ、聞けばもう10年ヒップホップダンスをやっていて、最近はBTSやBLACK PINKを踊っているらしい。なんて素晴らしいことなんだろう! ご飯だけじゃなくて、元気までもりもりともらった。一緒に煮魚やら炊き込み御飯やら煮物やらを食べた娘は「美味しいから、またさゆりママにもらってね!」と何度も言っていた。

10月22日(木)

 今日は化粧品会社の方たちとランチミーティング。久しぶりに平日からゆっくりと前菜、メイン、ワゴンデザートと食べてちょっと幸せです。コロナが落ち着いて両親が上京してきた時に、また一緒に行きたい場所ができた。質問されたことに答えていると、自分でも改めて分かることがあって急いでメモをしようと思ったのに、満腹になったらもう何だったのか忘れてしまった。恐るべし、満腹中枢。打ち合わせが終わってから、近くの店舗でおすすめの基礎化粧品などを教えてもらい、早速購入。肌が強いことをいいことに、あんまり肌の手入れを熱心にしてないが、そろそろ口のたるみや目の下のクマなどが気になってきた。来月は美肌強化月間と体脂肪撲滅月間と自炊強化月間にしたい。大忙しだな…。

10月21日

 午前中は新規プロジェクトの打ち合わせ。ずっとお会いしたかった人に話を聞けて、途中で何度か泣きそうになったがこういう時にマスクは便利だなと思った。自分がこれだと思った社会活動を、文字どおりに命懸けで、でも自分の楽しさを忘れずに、実践している人だった。私も私のやり方で頑張らなくてはと元気になる。午後からはサチとTHE SHEの打ち合わせをして、娘の下校時間までに帰宅。

10月20日(火)

 今日はお母さんの誕生日。夜に家族LINEをビデオ通話にして、皆でハッピーバースデーを歌う。私と娘はこの歌をハモれるので、目配せでどちらがどの音程を歌うかを合図し合う。実家の近くに「オシグリ」というケーキ屋さんがあって、昔から誕生日やクリスマスのお祝いごとはいつもそこで買っている。母は愛すべき天然で、本当にかわいい女性だ。かわいくて、実はけっこうたくましい。母のように愛情深く子育てできているだろうかと考える時があるが、いつだってかなわないなあと思うことばかりだ。私なんてと、と自尊心が低下しても最後の最後には、両親に育んでもらった私はきっと大丈夫だという気持ちになれる。それは本当に幸運なことだ。66歳、ゾロ目。これからもますますかわいい人生を!

10月19日(月)

 午前中、やっと娘の運動会が開催された。まさかの月曜日午前中のため保護者は少なく、生徒も自分の出番が終われば教室で待機というコロナ対策スタイル。色々と限られた中で精一杯の運動会を進めてくれた先生と6年生たちに感謝。毎年、徒競走の際、ゴール横に先生と6年生が6名くらいぴったりとついていて、絶対にミスジャッジをするまいとそれはそれは真剣に見ている。赤組か白組か。勝利に関わる限り、1点たりとも間違えないという気合がいつも嬉しい。毎年欠かさず応援に来てくれている妹もありがとう。昼からはコムデギャルソン本社でショーを観せていただき、そのままスタジオ入りして撮影と月曜から慌ただしくも充実した1日であった。

10月18日(日)

 娘が少年消防団の活動で、どでかいサツマイモを収穫してきたので、料理研究家でママ友の野口真紀さんにお勧めしてもらった、横浜中華街の「照宝」の2段重ねせいろを使って、お芋の他にもいろんな野菜を蒸して食べる。ヘルシーで簡単で美味しかった。

10月17日(土)

 朝6時、運動会の延期決定。はー、また延期かぁと二度寝をキメていたら、8時にピーンポーンと家のチャイムが鳴る。「え…この時間に…誰…だ、れ? アーーーーー、延期でも土曜授業だったー!」。娘のお友達のお迎えチャイムで思い出す始末。焦って泣きそうになる娘を数秒で着替えさえ、寝起きから10分かからない時間で送り出す。セ、セーフ(多分)。学校が近いというのはよいことだ。夜はママ友かおりさんと子供たち3人で家ご飯。娘たちのテストやらなんやらが終わったら食べようと約束していたのである。K-POPで踊りまくり、おしゃべりして、楽しい週末の夜でした。

10月16日(金)

 原稿を書いたり、絵コンテを描いたり、展示会に行ったりといつも通りの平日。お友達のあやえちゃんが待望の第一子を出産。まだたったの10年だし、一人しか生んではいないのだが、実体験を持って送る標語はコレだ。「大丈夫、赤子はなにも覚えてない」。いやもう第一子ってハラハラドキドキで、ついつい根詰めたり、生真面目に頑張りすぎてしまうところがある。サボるほうが難しいというか。でも、サボれるときはどんどんサボっていい! そんなことをLINEでやりとりした。さて、明日の運動会は開催されるのであろうか。

10月15日(木)

 午後から撮影。久しぶりのモデルの吉倉あおいちゃんに会う。いつも元気でお茶目でかわいい。本当にかわいいって正義だよなぁ。聞けばまだ25歳。10歳の時にスカウトされたというから、経歴は長い。だから頼もしさもあるのね。時々、撮った写真をまじまじと見ながら「この写真、パパにそっくり…っていうかパパ!」と言っていた。お父さんもカッコんだろうねえ。撮影が巻きで終わり、ものすごく久しぶりに伊勢丹に立ち寄る。母に誕生日プレゼントを買おうとして、お会計の時点で財布を持っていないことに気づく。最近はもっぱら電子マネーで財布がないということに夜まで気づかないとは。しょんぼりしながら帰宅。

10月14日(水)

 朝から、スタイリストの高橋さんがTHE SHEのリースに来てくれたので、その対応。これまでは、リースに行く立場のみだったから、いつも新鮮。これがなぜどう可愛いのかをしゃべり倒す(すみません)。お昼に近くの馴染みのカフェへ行ったら、人がたくさん。もうすっかりと賑わいが戻ったとのこと。今日は朝から仕事が捗ったので、食後に少し読書。ああ、幸せ。
 夜は娘と以前から約束していた、くら寿司へ行く。お目当ては鬼滅の刃の「びっくらポン」。5皿食べるとオンライン上でガチャガチャができるというシステムで、当たり外れがあり、当たればガチャガチャがひとつ出てくる。前に一度訪れた時は2回に1度くらいの割合で当たりが出たが、今回は全然出ない。4回トライしても外れたあたりで明らかに腹が立ってたし、いっぱいだ。娘の「ああ、また外れたよう」という悲しそうな顔を見ては、なにくそ!と決して美味しいとは言い難いお寿司を頬張るために、自分の胃袋を鼓舞する。次は(食いしん坊でたくさん食べる)じいじを連れてこようと娘が言う。せっかく上京してきた時にくら寿司というのもどうだろうか。撮影現場でアシスタントたちに聞けば、「『鬼滅の刃』仕立てで当たりが出にくくしてると思います」とのこと。痩せたいアラフォーに余計なカロリーをどかどかと摂取させるとは、信じ難し、くら寿司、この男!(漫画の台詞を抜擢)シャリ少なめ、お皿が2枚ついてくる寿司ネタ(と言っても200円)でなんとか5回目のガチャまでたどり着き、最後の最後でやっと当たりが出た。カプセルを開けると、娘の推しである柱、みつりちゃんの缶バッジで、大喜び。それを側で見ていた、サラリーマンの方が「よかったらこれもあげるよ〜」とカプセルをくれる。「わーっ、ありがとうございます!」とキューブを開いたら、またみつりちゃん。すごく嬉しくて好意をありがたく思って、開いた後に、ああ…どうせなら…他のがよかった…な?と思ってしまうから人間っていうのは、欲望というものは実に罪深いという話をしながら、夜風に吹かれて家に戻った。

10月13日(火)

 今週は撮影が2本。それに向けての下準備の日。合間で、娘が運動会のエイサー踊りで使う白い靴下と黒いTシャツを買いに行く。週末まででいいよねーと思っていたら、明日のリハーサルでも使うという。落とし穴! 夕方の打ち合わせ終わりで、近所の無印に行けばいいやと余裕をぶっこいていたのだが、コロナのせいでまさかの短縮営業。シャッターに虚しく、11-21時と営業時間が記されている。おのれ、コロナめ! というわけで急いでタクシーをぶっ飛ばし、他店舗へ行き、事なきを得た。小学校の持ち物で前日に言われても…というもののNo.1は図工で使うカップ麺の空容器。いや、ないですー、やたら滅多に家で食べるもんじゃないと思うのだが。お菓子の空容器しかり。その都度、コンビニに走り、私の夜食と化するという構図。

10月12日(月)

 今日は午後から千駄木で取材。古い家屋を味のあるアトリエにして仕事をしているデザイナーを訪ね、なんだかちょっと旅に来たような感覚に。ここのところ、低気圧が続いていることもあって、だるい、眠い、疲れがたまっていると言っている人がたくさんいる。分かります。そんな時はもう全部低気圧のせいにして、栄養のあるものを食べて、のん気に笑って、ぐーぐー寝てしまうに限る! のん気って、本当に生きていく上で欠かせないことだと思うなあ。

10月11日(日)

 NETFLIXで配信が始まった『エミリー、パリへ行く』を一気観。小難しくないストーリーと、知ってる場所のオンパレードで、すいすいと観てしまった。あー、パリが恋しい。カフェ・ド・フロールでショコラが飲みたい。夜は『鬼滅の刃』のアニメ再放送を楽しむ。まあ、これだってNETFLIXでいつでも観えるに、TV放映があると急にやったーとなって、TVの前に座ってしまう。私は漫画から入った口なので、アニメで見るとまた、新鮮。映像美がすごいなー、しかし。手掛けた人のインタビューとか読んでみたいな。もうすぐ映画が始まるが、無限列車のエピソードはとっくに漫画では終わっているし、佳境でもないし、今更なーと思っていたが、映画館で観るとすごそうだなと考えを改める。推しの柱は、22巻を経て伊黒さん。下の世代ならカナヲ。ここ最近は娘と一緒にお風呂に入りながら、漫画を一冊持ち込み、どちらがうまく感情を込めてセリフを言えるかを競っている。一度、妹の前で2人してやってみたところ、娘の圧勝だと言われた。悔しい。そして、妹が「ところで、2人には恥ずかしいって言葉がないの?(笑)」と一言。なるほど! 考えたこともなかったな!

10月10日(土)

 本来なら娘の運動会の日であったが、あいにくの雨模様で延期決定。昼過ぎまでダラダラと過ごし、いつも通りにバレエ教室へ送っていく。運動会がとにかく大好きで騎馬戦やらリレーやらでいつも大興奮している。6年生の男子がリレーで負けて悔し泣きしているのを見てつられ泣きしたり、1年生の玉入れが可愛くて泣いたり、高学年の子達が低学年の子達のお世話をしている様子を見て泣いたり、とにかく始終、じわじわと泣いている。今年はコロナもあり、競技は少なくて時間も短いが、それでもやっぱり楽しみだ。徒競走はタイム別で男女混合。つまり組が遅くなるほどにスピードが上がっていくのだが、近所に住む、娘と同級生のトキオくんという男の子がいつも最終組にいて、毎年1位だ。いつも我が子並みに声援を送っているんだが、会場ですれ違う時、「あ、ねえ、徒競走見てくれた?」などと誇らしげに声をかけてくれるのがもう本当に可愛くて、可愛くて。息子もいいなあ。娘は運動音痴なので徒競走では大概、悔しそう。その鬱憤を晴らすがごとく、大張り切りでダンスを踊っている姿が尊い。君たちは未来だ、と思う。来週末は雨が降りませんように。

10月9日(金)

 新しいTHE SHE magazineのアップ作業。今週はアシスタントのえりちゃんが体調不良で離脱。サチとアラフォー2人組に不安が募る。いやいや、そんなことも言っていられないね、私が今、一番興味があるのは動画の編集。時間を見つけて、そろそろ本格的に始めたい。今回は<カミング オブ エイジ>といういうNYの新しいブランド。こんな時代だから、新しい、かわいい、だけであっという間に消費されて終わらせるのは嫌だなと、つくづく思う。言葉少なにビジュアルだけで見せる世界観はかっこいいし、圧倒的だ。だから一緒に仕事をするフォトグラファー、スタイリスト、ヘアメイクの皆さんをとても尊敬している。と同時に、消費に真摯に向き合うには、やっぱり言葉も大切だと最近、つくづく思う。どんなバランスが楽しいだろう、意味があるだろう、などと考えながら、また奥歯を噛み締めていたのか、顔のコリが酷い。
 創刊以来、欠かさずに『週刊文春 WOMAN』を読んでいる。岡村ちゃんがオードリー・タンにインタビューするってなんだかすごくいいなあと思って楽しみにしていて、じっくりと一冊読めるまで置いてあった。オードリーが、これから人類は外に出かける時はマスクをすることが生活として当たり前になるというようなことを言ってて、なんだか彼女が言うと覚悟が決まるなあ。何故、日本ではなくて台湾で彼女のような存在が活躍できるのかということを考えたりした。

10月8日(木)

 今日は朝から、入稿。本当は事務所で書きたかったが、雨の中、塾へテストを受けに行く娘のことを考えると、がんばって〜と直接顔を見て送り出そうかなと思い、自宅作業に。学校から戻り、最後に見直しをすれば?言ったのに、まあまあ漫画を読んでいた(怒)。自宅→カフェ→自宅と場所を変えながら、最後がなかなか終わらずに、待ち合わせへ向かうタクシーの中でフィニッシュ。もう…いい加減にしろ…俺…と思いながら、夜は友達とキノコ鍋。喋りに喋って解散。

10月7日(水)

 今季は当たり前だがパリコレ取材はできず、いろんなブランドのオンライン配信をチェックする日々。エルメスからはショーが始まる前にちょっとびっくりするほどの美しいお花とともにイメージブックを送っていただいたり、プラダのオンラインショーの後にはミウッチャ・プラダとラフ・シモンズ(マイ・ヒーローズ)の対談を食い入るように見たり、ブランドによっては店舗に集まってオンラインショーを皆で鑑賞したりと様々な楽しみ方をした。そして、今日は今のところだけれど、唯一のリアルショーへ出かけた。sacaiが小田原にある、杉本博司さんが設計した、小田原文化財団 江之浦測候所を会場にしてショーを行い、それを世界発信するとのことで、ご招待いただいたからである。ショー開始は17時。14時40分に表参道に車が迎えに来てくれるということで、敬愛するスタイリストの金子夏子さん、飯田珠緒さんと3人で乗り込む。本当なら今頃パリコレが終わって、ボンマルシェでお土産買っている頃だよねとか、こんなにパリに行けないならセバスチャン・ゴダーユの塩チョコキャラメルを10枚くらい買っていればよかった(私の発言)とか、他愛もない雑談が楽しい。台風接近中ということで小田原に向かう車中でポツポツと窓を雨が濡らす。神奈川へ入ったあたりから、どんどんと緑深くなっていき、海も見えて、わあ、自然だー海だ海だ!と嬉しくて車内で一人、はしゃぐ。思えば、コロナが始まってから6ヶ月、大自然に身を置いていない。ショーは生憎の雨だけれども、ソーシャルディスタンスのために設置されたアクリルボックスの中に座席があるため、寒いけれども濡れずに外で観る。場所も相まって、雨の中のショーもなかなかに幻想的だった。思いの外、早く帰宅でき、娘を見てくれていた妹と3人でご飯。

10月6日(火)

 打ち合わせを幾つかこなした後に、週に一度の筋トレへ。相変わらず、腹筋は強いが背面が弱い。背中と裏ももとお尻を鍛えて満足。骨盤を整えてもらうとすぐに視界がカッとクリアになる。つまり血流がとてもよくなる。毎日、家でもやればいいけれどできない。背面ではなく、己の弱さと対峙しろと言いたい。

10月5日(月)

 朝からささっと髪の毛を切ってすっきり。本当は今、前髪とサイド少しだけオレンジにしているインナーカラーの分量を増やして、派手にピンクにしたかったのだけど、やんわりと止められる。もう何年もKilicoのJIROさんに切ってもらっていて、全幅の信頼をおいているので、はーいと素直に聞いた。
 事務所に戻り、THE SHE magazineの新しい記事UPの準備。たくさんの人に読んでもらえますように。私はADのくまちゃんにきてもらった、この<ライト>のストライプのナイトドレスをまずは購入。ECサイトは運営しているけれど、消費者目線で同じように同じ手法で買うようにしている。そうして初めて分かることがたくさんある。THE SHEをやるにあたり、絶対的に守っていることがあって、それは自分だけにはどんなに小さな嘘もつかないこと、ごまかさないこと。自分たちが本当に好きで本当に買いたいものだけしかECサイトにはアップしないこと、自分が本当にこれだ!と思うことしか書かないこと。小説家の村田沙耶香さんと朝吹真理子さんのトークショーを聴きに行ったことがあって、村田さんが小説は自分にとって教会。祈りを捧げる場所。だから絶対に自分に嘘がつけない。こっちの方が売れそう、受けそうと欲を出しても、もしくはこの表現は読者を傷つけてしまうかもしれないと躊躇しても、ここは自分にとっての教会だから自分を裏切らない。」ということを話していて、ものすごくおこがましいかもしれないし、媒体の意味も全然違うのだけれど、思いは同じだなあと思った。そんなわけでずっと前にサチと一緒に買い付けて、商品が届いて、撮影をして記事とECサイトをアップしてから、ワクワクしながらポチッとしている。ECサイトの商品説明も、まあ、数行で終わることかもしれないんだけど、書いてるうちに楽しくなってしまって、自分も買い物している気分で、気がついたらとんでもない文字数になっているけれど、みんな笑って読んでくれているようなのでよかった。次は<エクストリーム カシミア>のネイビーTシャツかなと思っていたら売り切れてた!  わー。ありがとうございます、私も買いたかったー、ありがとうございますの輪廻。

10月4日(日)

 今日も起きたら11時で、ソファーで寝ていた。デジャブ? 早川義夫さんの『女ともだち』を読み始める。ランチに出かけたら、店内はすっかりハロウィン仕様になっていた。ハッピーハロウィン! 絵を描くことだ大好きな娘が、その店で開催されていたハロウィンの絵描きコンテストなるものに参加したいとのことで、食後にコーヒーを2杯お代わりするくらいに待つ。提出したところ、まず参加賞として20パーセント引きの券をくれたと誇らしげに席に帰ってきた。掃除、娘の勉強に付き合う、一緒に休憩、ダラダラするの繰り返しであっという間に晩御飯の時間。豚汁を作りながら、来週のためにほうれん草とひき肉のカレーも煮込む。大量に切ったほうれん草があっという間に小さく炒められていくところを見るのが結構好きだ。あの一瞬で存在が小さく、でも濃くなっていくあの感じ。あとはミルクティを小さい鍋で作っているときの、沸騰ぎりぎりの牛乳の表層部分。わーっと大勢の小さな妖精が広場中央に向かって走り寄ってくる感じがする。それは、古代エジプトのコロシアムみたいな広場。まあ、色がそうなんだろうな…というか、誰かとこの思いを共有できたら、ジャンプして抱きついた上で、きつく抱きしめると思う。

10月3日(土)

 朝起きたら11時。家族はとっくに朝ご飯をすませていた。久しぶりにぐっすり寝て、いい気持ちと言いたいところだが、ソファで寝落ちしてしまってなんか首が痛い。朝型生活に変えたいのだが、家族が寝静まった後に一人で本を読んだり、ときたまNetflixを観たり、考え事をする時間が好き。私にとっては深夜はとても優しい時間。長年、学習塾を営んでいる両親も夜型だし、私もずっとこのまま夜型な気がしてきた。娘がもっともっと小さい頃は、誰にも邪魔されずに集中して原稿が書けるのが早朝だけだったから、5時に起きていたような。まあ、大体、娘と一緒に寝落ちしていたが、あれはあれで確かに健康的であった。ママ友に聞いたのだが、息子と同じ小学校に通う子供のお母さんが、とても厳しく自己管理ができる人で、朝5時に起床する娘のため、自分は2時だか3時に起きてランニングと朝ご飯の準備をすませるらしい。すごすぎる…。
 娘をバレエに送り込んだ後で、ママ友のかおりさんとお茶。娘の勉強がああでこうでまったくねえーどうすりゃいいのだの、そもそも日本の教育制度っていうのはだの、40代の女性の生き方ってさーだのなんやかんやおしゃべりしてすっきり。夜ご飯は焼き鳥にした。

10月2日(金)

NIZIUが帰国した際に、まるで犯罪者?と驚くほど徹底的に顔を隠していてびっくりしたのだが、韓流に詳しいファンにしてみればこれは当たり前のことで、大概、ヘアスタイルやカラーを変えているため、それを隠しているだけとのこと。なるほど。知ってはいたが、これほどとは! と驚く。その隠し方によって、誰々は多分変わってない、誰々は大幅に変えたからフーディ+帽子だなどとネット上でも憶測が流れていて、なるほど面白いなーと思っていたら、デビュー曲&ビジュアルが解禁。皆の推測がほぼ当たっていた。打ち合わせの後、銀座線で渋谷→バスというコースの間にある「渋そば」でちくわ天そばを食べようと訪れたら、なんと再開発のために閉店していた!  移転でもなく閉店。実は今週、アシスタンツとご飯を食べた時、渋そばがなくなったらしいという話になり、いやいやーこの前食べたよなどと話したばかり。朝、撮影前におにぎりを買える便利な場所でもあったので、皆、結構思い入れがあった。噂通りになくなっていた。ショックです。速攻で皆にLINEし、悲しさを共有する。あんなちゃんに至っては渡英前にもう一度食べるつもりだったのにとのこと。どんだけ。ショックがデカすぎて、どうしてもあの特段美味しくもない、だけどクセになるそばを食べたくて、渋そばにちょっと似ている、小田急線駅前にある箱根そばへ行ってしまう。ちくわ天そばを食べながら、『鬼滅の刃』の最新刊を読んで泣いた。涙ぐむとかではなく、目から涙がしたたり落ちて手のひらで拭うくらいに泣いた。伊黒さんの「鬼のいない平和な世界でもう一度人間に生まれかわれたら 今度は必ず君に好きだと伝える」で嗚咽した。うん、分かる。私もそうする。今日は新しい<モリーゴダード>の真っ赤でボリュームあるスカートを穿いていた。結構派手な格好で、仕事の合間に蕎麦屋のチェーン店でちくわ天そばを食べながら漫画を読み、嗚咽するアラフォーの女性がいたら、それは大概、私です。

10月1日(木)

朝から携帯が行方不明でなかなか出かけられない。確か…昨日は寝る寸前まで携帯で漫画を読んで気が付いたら意識がなくなっていたような…。散々探し回った結果、ベッド脇に並んでいる子供のぬいぐるみゾーンから救出。カメラマンのあけみにTHE SHEの物撮りをお願いして、スタジオのある曙橋へ9時から行く予定が、私だけ遅刻。曙橋には美味しい韓国料理屋がたくさんあって、あけちゃんのお勧めのお店でランチ。大好物の参鶏湯を食べる。辛いものが苦手で、すぐに首の後ろとか額に汗が滴り落ちるから、食べられるものが限られる。それを皆が知ってるメンバーだったので、これはかおり、多分大丈夫、これはダメ、などとアドバイスしてもらいながら、結局、付け合わせの副菜でじっとりと汗をかく。ああ、韓国語を勉強してハングル語が読めるようになりたいなー。その後、雑誌『LEE』の取材のため、六本木へ。WWD記者の廣田悠子ちゃんと久しぶりに会う。今日は夜の娘のいろいろが夫担当なので、事務所へ戻って仕事。途中、ちょっとだけ仮眠と思ったらびっくりするくらいソファで寝てしまい、明日も早いのでこのまま泊まることに。疲れが溜まってきたなぁ…。
原宿のパンケーキ屋エッグスンシングス前を通りながら、思うことあり。香港の若き民主活動家の周庭さんが以前、どうして日本のテレビは「好物はトンカツ」「バスケ大好き」などの情報は本当に必要ですか? 過去の言論やスタンスの方が重要だと思うというようなツイートをしていて、なんだか恥ずかしくなってしまった。本当にそうだね。過去に選挙速報を見ながら、時々そういうプロフィールにワハハと反応してしまっていた自分が恥ずかしい。

9月30日(水)

朝から、出版社時代の先輩からの相談事を受けるため、三茶のまめヒコへ。コロナの緊急事態宣言が出てからずっと行ってなかったので、本当に久しぶり。先輩に会うのもものすごーく久しぶりだったけれど、思い出してくれて嬉しかった。その後、事務所へ戻り、THE SHE magazineの原稿やら、SPURの校了やらに取り掛かる。さよなら9月、ありがとう。

9月29日(火)

9時半から、スタイリストの井伊ちゃん、プレスの枝さんと事務所で打ち合わせ。新しいプロジェクトについて話す。14時から別の打ち合わせがあり、急いで青山一丁目へ。と思ったら、15時からだった。グッスン。まあ、遅刻するよりはまし。その後に週1の筋トレへ。肩と首がまたありえないくらいに凝っていた。「ここまで首が凝っているってことは、多分ここのなんとかかんとか筋が…」とパーソナルトレーナーのきえちゃんに左顎の付け根をぐいっと押されたら、声を出すことができないくらいの激痛。本気で泣くかと思った、というか少し泣いた。私を黙らせるには顎の付け根と覚えておいてほしい。夜は新旧アシスタンツ3人と一緒にご飯。一人目のアシスタントだったかおりんは結婚、二人目のアンナちゃんは無事にビザが取れて再度、渡英とお祝い&激励のご飯会。みんなでキノコ鍋を食べに行き、最後は結局、それぞれの恋話に。みんな、大切なうちの子だなあとおっかさん気分で帰路につく。かおりんはとても気のつく人でこういう場に必ず、いつも何か小さなお土産ものを持ってきてくれる。旦那さんと長野に行ってきたとかで、お茶をくれたのだが、自分よりも年下の2人には洒落たティーパックを渡し、私には健康と美容のための「えんめい茶」をくれた。おいっ! でも、ありがとよ!

9月28日(月)

 日曜日に働いたので、月曜は代休としてのんびりとしようと思ったが、意外と雑務に追われて1日があっという間に終わる。月曜日の夕方は、子供の習い事のため駒沢公園付近で2時間ほど待ち時間があって、いつもイノダコーヒーで作業をする。コンセントもあるし、机も広くていい。本当は本を読めたら1番いいんだけれど、結局パソコンに向かっている。アシスタントのえりちゃんと遠隔で作業を続けていたら、まさかのパソコンに水をぶちまけて使えなくなりました…との連絡が。おいっ!  私のパソコンを貸すから来てねと話していたが、友達のを借りられたので大丈夫ですとの連絡。なんだよ、待っていたのに…。そしてその後、自転車に乗っていてすっ転んだらしい。えりちゃんのついてない日。生霊の怨念じゃない…? お願いだからパソコンだけは避けてもらって…などと話して、まあ、これで厄を払ったと思いたいね。娘の習い事が終わって、バス停まで秋の夜風を感じながら歩く。保育園の年長さんの頃から通っているのだが、19時35分発のバスからいつの間にか19時12分のバスに間に合うようになっていた。こういう小さな成長と驚きがじんわりと心を温めてくれる。バス停での待ち時間に、違う行き先のバスが来たら、それが立ち去るまで息を止める、阻止するためにお互いに笑わせて噴きださせる、という遊びをずっとしてきたが、その暇なく最短時間でバスに乗れるようになった。そこだけは、ちょっと寂しい。