THE SHE

DIARY

2020 / Jul

7月30日(木)

 今日は馬喰横山町のスタジオにて撮影。基本的になるべく出歩かない昨今、電車を乗り継いで、馴染みのない街へ行くともう旅した気分である。問屋街がたくさんあって、ちょっと面白そう。今回は時間がなかったけれど、次回は散策してみたいな。スタイリストのゆめちゃんは撮影後に浅草でペリカンのパンを買って帰ると言ってた。それもいいね。人は行動を制限されると鬱々となることもあるけれど、その中で、ユーモアの心を忘れずに、小さくてもいいからいかに楽しさを見出せるかということは大切。この前、ハーパーズバザーのウェブ企画で内田也哉子さんにインタビューする機会があった。「自由とは自分の心が決めることで、そのボーダーラインさえも捉え方次第ですよね。」という話になり、本当にその通りだと思う。どんな時でも心は自由でいたいな。
 最後の打ち合わせを終えて、時間に少し余裕のある日だったため、原宿から渋谷を抜けて1時間ほど歩く。歩きながらいろんなことを思い出したり、考えたりしながら、街を通り過ぎていく時間が好きだ。趣味と言えるほどのものはなにもなく、あ、趣味は仕事なのだけれど、今、趣味はなに?と聞かれたら散歩と答えたい。

7月29日(水)

 今日は昼から事務所作業。撮影し終えた写真を並べて、どんな風にデザインしようかなーとか、どんな見出しつけようかなーと考える時間もまた楽しい。コロナのせいで随分と両親に会えていないし、生まれ故郷の徳島に帰れていない。しょっ中、LINEしたり、電話で話したりはしているが、今年は阿波踊りもなく、帰省しない夏休みなんて(涙)。実家にはきなこという名のトイプードルがいる。時々、トリマーさんにカットをしてもらっていて、散髪後に記念撮影がある。そして、何匹かのワンコたちをまとめたインスタグラムがあがる。それを母が「どの子がきなこでしょーか?」とLINEしてくる。これが密かな楽しみで、まさかそんなうちの子を間違えるわけがないでしょうと思いながら、一匹、ものっすごく似ている子がいるので注意が必要だ。間違えようものなら、家族全員から非難を浴びる。季節折々の挿絵の前にちょこんと座って、きっと「おすわりよ、きなちゃん」とか言われたりしながら写真に写っているかと思うとちょっと笑える。きなこは驚くほど母性が強く、私が里帰り出産した時から東京へ帰るまで、彼女は娘を本気で育てていた。いや、本当に。小さな赤ん坊を踏まない、ぎりぎりの場所で寝ていたり、犬なので耳がよく、娘が泣き出す5秒前に察知して私に知らせにきた。朝から晩まで24時間、いつも側に寄り添い、時々育児疲れで爆睡していた。帰京前夜、きなこに「ありがとうね、お世話になりました」と言いながらその背中の巻き毛に顔をうっぷして号泣した(マジ)。今では娘に「きなこ、お座りっ!」などと言われているが、とびきりに仲良し。学校での工作はだいたいきなこを作って帰ってくる。ちなみに写真の1番下段の右端がきなこです。

7月28日(火)

 朝から夕方まで、撮影。換気、マスク、ソーシャルディスタンス、消毒、飲食を共にしない、少人数制。コロナ対策をした上での撮影は、まだまだ続きそうだ。でも、アイデアのある、丁寧なよき撮影だった。帰りはフォトグラファーの小川くんに事務所まで送ってもらう。夜は、娘が学校で50文字の漢字テストがあるというので、問題を作る。これは私と娘の恒例行事。物語の中に、いかに習得すべき漢字やら、メッセージやら、笑を入れ込んで、楽しくテスト勉強ができるか。腕の見せどころなのだが、こだわりすぎると下手に時間がかかって問題が出来上がる前に、娘の就寝時間が来ても困るため、ぐわっとひと思いに書く。学期末、これを終えると、ああ、娘の休みがくるなーという感じ。今年は旅行も花火もお祭りもないけれど、娘にとって楽しい夏休みにしたいな。

7月27日(月)

 利権、横流し、情報操作、沈黙。ここのところのニュースを見るたびに、世の中はどうであれ、できるだけ自分は、本質的なところでは矛盾を抱えずに生きていきたいなと思う。それからよく思い出すのは、村上春樹さんがエルサレム賞授賞式で行った、あの有名なスピーチ。「高く、堅い壁と、それにあたって砕ける卵があれば、私は常に卵の側に立つ。しかも、たとえ壁がどんなに正しくて、卵がどんなに間違っていようとも、私は卵の側に立つのです。」の1文は、折に触れて、生きていく上での指針になっている。豊かさの基準を間違えないようにしたい。いや、正しいか間違っているかは人それぞれだけれど、自分にとっての豊かさ、社会や人との関わり方に、自分自身が納得して生きていたいな。

7月26日(日)

 今日は出版社時代の同期、千ちゃんとまりと久しぶりの集合である。もう20年を超えての付き合いになると思うと感慨深い。新卒の同期入社は10人。会社員のまま、フリーランス、形を変えながら8人は今も編集者のまま。3人いた男子は今は皆、それぞれに編集長になっている。私も会社員のままで編集者を続けていたらどうなっていたかなと思ったことが1度もなくて、本当に組織に向いていないのだと思う。同期とも後輩とも仲が良くて、「仲良くするな!ライバルなんだから!」と上司に叱られたことがあるのを思い出した。当時、3人とも三軒茶屋とか池尻辺りに住んでいて、朝から晩まで思いっきり働いた上で、夜中にしょっ中、富ヶ谷界隈で集まり、たくさんのことを話した。仕事も恋愛も、本当にたくさん。励まして、励まされて、笑って、泣いて、人生の多くのことを共有し合ってるんじゃないだろうか。住む場所も仕事の環境も色々変わったが、今も変わらずに会える時間が本当に尊い。他の同期たちとも未だにとても仲が良くて、すごく恵まれていると思っている。胸いっぱいの希望を持って社会に飛び込んで、思いっきり現実に突き落とされるあのひよっこ時代を共にした絆は思った以上に強い。今日はお互いの近況報告をしつつランチを食べ、鬼才の漫画家、上村一夫の展示を観て、早めに解散。コロナが落ち着いたら、またゆっくり話そう。

7月25日(土)

 4連休だが特に大きな予定も入れず、少しの外出以外は家にいる。そしてミスセブンティーン候補者のプロフィールを引きずっている。長所に「場の空気が読める」とか「共感能力が高い」などという言葉が並んでいた。いつの間に、前途ある若い女の子たちに、こんなことが長所だと言わせる世の中になってしまったのだろうか。これって下手したら同調圧力に繋がらないだろうかと思ってしまう。そして、出た、共感。世の中、共感の嵐である。もちろん、大切。自分が世の中に出すものが独りよがりなのはカッコ悪いし、世の中と繋がっていないのも嫌だけれど、昨今、共感にプライオリティを置きすぎてやしないだろうか。かくいう私も2,3年くらい前は「今は共感こそ1番大切」と思っていたところがあるのだが、最近はちょっと違う。そこを重視しすぎると、多様性へ向き合う姿勢がカッコだけになりそうな気がするのである。そして静かに個性を押さえつけてしまうような、同調圧力に繋がってしまうような気がするのである。とにかくティーンエイジャーのプロフィールの長所欄にそんな言葉が並ばない世の中にしたいなあと思いながら、武田砂鉄さんの『わかりやすさの罪』を買いに本屋へ行った。Just be yourself. That’s enough.ってJ.Y. PARKさんも虹プロでリマちゃんに言ってたねと思いながら。

7月24日(金)

 UPしたと思っていたが、プレビューを改めて見返したら空白。なにかの暗示だろうか…。なにを書いたかはもちろん、どんな1日であったかももはやおぼろげ。2時間コースのマッサージ後、50分ウォーキングし、汗だくで帰宅。3年ぶりくらいに、もう何度目か分からないくらいだけれど、SEX and the CITY を観ている。英語の勉強も、NYのことも、女性の多様な生き方も、とにかくもういろんなことをここから学び、笑って、泣いて、時に考え込み、私の20代に多大な影響を与えたであろうこのTVドラマシリーズ。気がつけば、キャリーたちよりも年上になっている。何度観ても、元気が出る。ということを書いたのを思い出し、再度、UP。

7月23日(木)

 世の中は4連休のスタート。7月中に自宅と事務所の大掃除を終えたいと目論んでいる。午後から、相棒のサチとアシスタントのエリちゃんと3人でTHE SHEの倉庫部屋を大掃除。掃除して段ボールを捨て整理したら、なんだかいい気が入ってきた感じ(単純)。今日はここまででいいか、というところで切り上げて、皆でランチ。ミスセブンティーン2020の最終候補が出揃い、投票が始まっているので、2人を誘って候補者の女の子たちをチェック。みんな、キラッキラで可愛い。未来そのものだ。毎年、彼女たちのプロフィールを読むのが好き。初っ端からエントリーNo.01の阿部苺菜実さんが、長所に「場の空気を読める」と書いており、「そんなことをこんな歳から長所にしちゃあダメだ!君は今の君のままでいいのだから!空気なんて読むな!」と声をかける(誰に?)。他にも短所「オタク。」←「きゃー、それは長所!長所なんだよっ!」とか趣味「入浴剤を集めること」←「私も♡」などと大盛り上がりでコメントする私を見て、アシスタントのエリちゃんが、心の中で、この人についてよかったのだろうか…と思っていたら申し訳ないと思う。3人で投票を終えて、解散。のびしろだらけの女の子たち、みんなみんな、輝いている。女子高生の本とか雑誌を作ってみたいなあ。大人と子供の間みたいな女の子たちのあの時間。やっぱりとても大切で、興味深い。ZINEでも作ろうかな。女子高生版流行語大賞も、毎年、とびきりに楽しみにしている。「ぴえん」の進化系が「ぱおん」なんて本当に最高。事務所の一室を掃除できたことで満足し、自宅は手つかずのまま、ぐーぐーと寝てしまった。

7月22日(水)

 明日から連休だが、娘は学校。不要不急の外出は控えるようにとのことだが、登校日。なんだかなぁ…。仕事柄だとは思うが、広範囲に渡り好奇心が強く、常に新しいこと、面白いこと、社会でなにが起きているのかを頭の中に入れておきたいタイプ。貪欲にそうしているというよりは、多分、もうそういう生き方とか生活の仕方が染み付いているのだと思う。そうしてるうちに、おお、きっと世の中はこんな風になっていくんじゃないかなーとか、次にくるのはこれだなーとか、今、注目すべきはこういう人たちだなーとか、まあ当たらない時もあるかもしれないけれどズレることもあまりなく、ちょっと先のことが見えたりする。だから行ったことのない場所に行き、触れたことのない文化に触れることは大切。カッ!っと目を見開くような発見があったり、後からじわじわと「あ、分かった!」と膝を打つことがある。編集者は自分一人で考え抜くというよりは、人や物やことにたくさん接して発見していくタイプなのだと思う。コロナも第二波が来ようとしているのか、すでに来ているのか分からないけれど、今ほどにちょっと先のことが見えないことはないなあと、改めて思いながら仕事をしている。「今」とか「時代」を追いかけて、追いかけて、追いかけ続けている間に「普遍」が見えてくるタイプ。どんなに時が経っても古くならないものよりも、時が経って古くなったけどあの時ってこうだったよねー!って猛烈に思い出してもらうものを作る方が、私は好きなのかもしれない。前日、取材で訪れたアトリエに90年代の雑誌が置いてあって、めくるたびにワーワー言いながら懐かしい!わあ、こういうの着てた!これ好きだった! この時、ああだったよねーとか言いながら皆で盛り上がって、その時の高揚感が未だに残っているからかもしれないな。まあ、だからこそ「普遍」を作れる人たちに対する憧れと尊敬の念もあるのだが。いずれにせよ、数年先に、きっとあの時、コロナで大変だったよねという時が来るはずだ。とにかく経験と直感を大切にしながら、今、できることをしようなどと、取り留めもなく考えながら、家と近くのカフェで粛々と仕事をした1日であった。

7月21日(火)

 1週間前から寝違えたのかなんなのか、ギックリ首とまではいかないが、ずっと首が痛い。入稿を終え、やっとこさトレーニングへ行き、トレーナーのきえちゃんに体を見てもらう。「左肩、亜脱臼してますよ。よくここまで頑張りましたね…。」と驚かれ、「うん、私、頑張り屋。」と素直に受け入れておいた。当たり前だが、左肩が変になると、そこから首、背中、右太もも付け根、お尻とどんどん体が硬くなり、歪む。ああ、自分を労わろう。
 久しぶりに会った時、「あれ〜、なんか太った?」とか悪気なくズケズケ言う人が苦手。自分が言われても嫌だけど、一緒にいる人が言われてもすごく腹が立つ。すぐに「あなたに関係ないと思うし、失礼だし、太ってない」と噛みついてしまう。失礼極まりないと思うんだよな。外見、体型について茶化していいのは本人だけで、いくら本人が言ってるからといって、それに便乗もしてはならない!と改めて思うことがあった。そういう無神経さってどこからくるのだろうか。
 そして断食の本を読みながら、とんかつを食べるという矛盾極まりない行為。Go To施策は始まるが、自粛要請は出るという事態よりはマシかと思うけれども。
 

7月20日(月)

 朝から夜まで、入稿作業。夕方、原宿へ出かけ、敬愛する先輩でスタイリストの金子夏子さんと打ち合わせ。いつの間にか原宿の『オーバカナル』が場所を変えて復活している。懐かしい…大学生の頃、よく通ったな。A.P.C.とかZuccaとかヘルムートラングとかX-girlとかサイラスとか着てさ。あの頃の私は元気だろうか? 時々そういう風に昔の自分を思うときがある。いや、もちろん自分なんだけど…ずっとあのままその場所にいる私のような感覚というかなんというか。違う次元ではあの私はあのままで生き続けているような。あのとき選べなかった人生も実はそれはそれでどこかで続いているような。想像の世界とはまた違うんだけども。いつかしっかり言語化しよう。夏子さんと仕事の話もさることながら久しぶりにお茶をしながら、いろんな話をした。私の仕事のフィールドには、カッコよくてチャーミングで自由でパワフルで、人として本当に素敵な女性の先輩がたくさんいる。それは本当にありがたくて、ラッキーなことだ。私も先輩たちと同じように、少しでも年下の女の子たちのお手本や助けになれているといいのだけれど。まだまだ、頑張らねば。
 夜、ママ友のかおりさんとLINEでやりとり。夏休み、どうするの?とか昨今のニュースとか、子供の話とか色々話していたら、かおりさんが、とにかく生きよう! と送ってきた。ああ、2020年ってなんだか本当にそういう年だなあと思って、寝る前にもう一度、LINEのその文字を見返した。
 

7月19日(日)

 娘と、お泊り中のいしちゃんが起きてきて、皆で朝ご飯。パン、おにぎり、コーンスープ、ハムエッグにウィンナー、フルーツ、オレンジジュースと簡単な朝ご飯だけど、ゲストがいるとなんでこんなに楽しいんだろうね。皆でゼリーを作ろうかと言いながら、結局、少女たちはNETFLIXの『ときめきトゥナイト』に夢中に。懐かしいな。りぼん世代の私です。時を経て、娘と娘の友達と観るとは感慨深いね。しかし、母親として2人を見守るというより、完全に仲間に入ってしまうこの癖をどうしたものか。NIZIUのPVを観ながら、「私、マコちゃんやる! 私はミイヒのパートがいい。え?ずるい、私もミイヒ!」などとフォーメーション争いに参加している私。クイズ、一体全体、どれが母親の言葉でしょうか?状態。中学生くらいになれば、「ちょっと! あっち行ってよ!」などと言われるのだろうか。また夏休み中にお泊まり会をする約束をして、いしちゃんは帰って行った。9歳、10歳とのガールズナイト、楽しかったな。

7月18日(土)

  娘がバレエへ行っている間、ママ友、かおりさんとお茶&おしゃべり。今日の話題はもっぱら娘のことだが、いやはや、同じような悩みがあるから、なんだかほっとする。そして携帯をぱっと開いたときに目にした、衝撃の訃報。改めて、人には人の地獄があり、それは見た目には全く分からないものだ。ましてやSNSなどによる発言なんかには、当たり前だが現れるものではない。強そうに見えて弱い人。幸せそうに見えて大きな悩みを抱えている人。自分が目にしているものだけが全てではなくて、人には人の地獄があるんだ(繰り返し)と思う。だからこそ、できる限り、人に優しくありたい。自分がされて嫌なことは人にしないというのももちろんだけれど、自分が嫌じゃなくても人にとっては思いっきり嫌なこともある。難しいけれど、想像力をなるだけ大きく働かせて、人に優しい人間でありたい。特にここ1,2年で強く思うことだ。
 バレエレッスンの後、娘と保育園時代からずっと仲良しのいしちゃんがお泊りに来る。NIZIU、TWICEとyoutubeを観て歌い踊り楽しそう。楽しそうというか完全に私も一員として参加させていただきました。今日は2人で特別に夜更かしするんだそうで、まあ、許す。NIZIプロの皆が暮らしていた韓国の宿舎に憧れており、寝室を女子寮と名付けてテントを張り、壁に布を貼り、まあ器用に改造していた。楽しくていいね。そこにはさすがに参加させてもらえませんでした。隣の部屋からきゃっきゃきゃっきゃと楽しそうな声が漏れてくる。女友達は本当にいいぞ。自分の人生にとって、かけがえのない人だぞ。ずっと仲良くしてね。

7月17日(金)

 今日はZoomでの打ち合わせが3本、入稿1本。コロナ、第2波、来てしまった? 思い返せばコロナは湿気に弱いから梅雨に入る日本は大丈夫そうだという予測は残念ながら外れていた。初めてのウィルスだから、軽症で終われば大丈夫というのも絶対に保証はないし、後遺症も疑われている。絶対にかかりたくないし、誰かにうつしてしまうのも怖い。このままのペースで行くと1ヶ月後には爆発的に増えているかもとの報道もあり、恐ろしい。雨続きで肌寒いので、夕飯はまさかのしゃぶしゃぶ。鍋。そして気分をあげたくてお花をたくさん買って、部屋に飾った。

7月16日(木)

 昼からサチとTHE SHEの秋冬シーズンの打ち合わせ。自分たちの打ち出し方にとことんこだわって、買いたいものをセレクトする。秋はやっぱりニットが着たくなる。「Tシャツの季節」の次はやっぱり「ニットの季節」がワクワクするな。夜になるとちょっと肌寒くなってきて、切なくなって、ニットが着たくなる季節。街の匂いも空気も少しずつ変わり始める頃。今年はコロナのこともあり、その頃がどんな気分なのかが掴みにくい。でもやっぱり、ニットは着たいなぁ。
久しぶりにお会いする、スタイリストの村山佳世子さんがTHE SHEへリースに来てくれて、とても嬉しかった。いつ会っても変わらず、穏やかでチャーミングで面白くて温かい。もう10年近くも前になるエピソードなのに、かおりちゃん、あの時あんな風に言ってたよね、とか、こんなことしてたよ、とか覚えてくれていて驚いた。

7月15日(水)

 昼からスタジオ撮影。思えば長らくロケ撮影をしていない。ちゃんと換気ができて、密にならずに距離を保って撮影でき、対策もしっかり練られているスタジオのみ。早朝からロケバスに揺られて目的地に行くのがちょっと懐かしいな。でも今は、無理せずに。GO TOしない。お昼も取り分け形式のケータリングはやめていて、毎回、お弁当にシフトしている。今日は大・大好きなチオベン。やったー。気がつけばもう7月の折り返しである。梅雨も長く、コロナ禍の影響もあり、夏休みがすぐそこ!という感じがしない。GO TOする気になれない。近場の温泉くらいには行きたいけれど…。というかGO TOキャンペーンに使われる税金をどうにか熊本の被災地のために使ってほしい。インパルス飛行に全然喜べないし、娘に見せる気もしなかったが、ここへきて、一所懸命働いてくださった看護婦さんたちの大量辞職の報道。やはりね。うーむ、やっぱりまだまだ閉塞的なムードは続くな。よし、こういう時はまずは小さな幸せを丁寧に探してみる。チオベンを食べた(2回目のやったー!)、笑いの絶えない撮影だった、オンライン打ち合わせで、大好きな先輩の顔を久しぶりに見た、娘とNIZIUのMake you happyの振り付けを覚え始めた、電車移動の際に座ってゆっくり読書できた、雑誌BAILAでTHE SHEの紹介をしてくださるのだが、推薦してくれたコメントが嬉しかった、新しく使い始めたファンデーションがいい調子(サチとお揃い)、京都に住む従兄弟家族とのラインのやりとりが楽しかった。よし、大丈夫。

7月14日(火)

 昼からサチと打ち合わせ。やるべきこと、やりたいこと、全部話して、ワクワクした。その後で<ラストフレーム>の展示会へ。新作バッグも非常に素敵でした。その後にもう一件、打ち合わせがあり、久しぶりに銀座へ。ほぼ4ヶ月ぶりの銀座は人が戻りきっておらず、お店も閑散としていた。
 夕飯を食べて娘が連絡袋から、配布物を出す。いやー、今日のハイライト(?)はここにあった。今年はコロナのせいでたくさんのPTA活動がなくなる中、学級委員だけが選出されるため、立候補するか否かというアンケートだった。と思いきや、よく見ると①立候補します。②希望なし。委員選出に関する全てをお任せいたします。選出された場合はお引き受けいたします。の2択だった。えええ、何? 最後の1文、何? そんなこと勝手に決めないでほしい。PTAの学級委員は学校や先生と、特に密に接する委員であり、日々の暮らしの時間の使い方に余裕があり、比較的いつでも頻繁に学校に行くことができ、我こそはと意欲を持っている方がやってくださるのがいいと思う。私は到底無理です、仕事の時間もバラバラで一定ではなく、急な取材や出張も多いし。他の委員ならまだしも、これはお引き受けいたしかねます…という選択肢はない。っていうか2択としておかしくないか? コロナに対する考えだって個々、違うだろうに。学校も好きだし、行事にはこぞって参加しているし、もちろん教育はなにより大切だと考えているから、できる限りで学校とも先生ともコミットしたいと思っているし、してきたつもりだ。時代はこんなにも変わっているのに、PTAという組織は本当に私の母の時代と何ら変わっていない気がする。どうして? めんどくさがっているわけじゃなくて、責任を持ってできないこと、そしてこの同調圧力が嫌なのだ。何だか素通りできないなあと思って、最後の1文を線で消し、「コロナにおける今の状況下において、仕事を持つ身としては学級委員を責任持って果たすことはできかねます。また、保護者会もままならぬ中、このような紙1枚で、立候補、もしくは選出された場合は引き受けますの2つだけしか選択がないのはおかしいのではないか、お引き受けますとまで半ば強制的に書かれていることに疑問を持ちます」と長々と書いてしまった。スルーしようかなとも思ったが、やっぱり、おかしいと思うことにはおかしいと言いたい。しかし、娘が嫌がるかなーと思って若干気弱になり、まずは2つ折りにして連絡袋に入れてみる。娘が気付いて読み始めた。う、ドキドキ。「すまんね、でもなんかおかしいよと思っちゃって。」と説明しようと思った矢先に、「さすが私のママ、かっけー!議論する女、かっけー!」とニコニコしてくれたのでほっとするやら、嬉しいやら。「こんなご意見いただきました、なんて放送委員会で流れないかな?」と娘。いや、それはさすがにない。でもそれくらい、オープンであるべきだとママも思うんだ。

7月13日(月)

 今日は夕方からZoom取材と対面取材。家に戻ると、娘が図書館で借りてきた本を机の上で、ソファの上で読んだ形跡がある。昨日、本当に久しぶりに図書館で行って本を借りて、少し日常が戻ってきた気がした。予約本を受け取るのみ→奥の本棚エリアに入れない→分散利用と、長い道のりだった。回覧席がソーシャルディスタンス仕様になっているくらいだろうか。15冊借りられるのだが、娘が12冊、自分が3冊の割合。娘は12冊中の3冊は私に選んでほしいという。誰かに本を勧めるのはとても難しいが、好きな人が好きな本を読むのは大好き。娘も同じような気持ちでいてくれたらいいな。今回は「三銃士」を選んだ。今日は比較的のんびりとした月曜日で、特筆することもない。家族でまた「Niziプロ」を観たくらいかな…。

7月12日(日)

 久しぶりに娘と2人で、伸び放題だった髪の毛を切りに行く。ずっとショートカットで、理想としては3週間に1度は切りたいところ。本当は金髪とか薄いピンクとか派手なヘアカラーにしたいのだが、いつも娘に反対されている。保守的。学校で浮いているのだろうか、私。ただでさえ洋服が派手なんだから、髪の毛くらいは大人しくしておいてほしいのだろうか。で、でも今年はPTA活動もないですし…。「そういう考えが人の個性をなくすのだぞ。」などと反発してみたりして、どっちが親なのか分からない状態。今回はインナーカラーを妥協点とし、前髪と片方の横髪の内側だけを明るいオレンジピンクっぽい色にした。娘は「髪の毛の色を抜くなんて、髪の毛がかわいそう!」とも言っていたが、それはどういう心理なのか。それからインナーカラーといえば、やはりグレード義太夫だ。私はショートカットだから免れていると信じたい。
 長年、代官山のkilicoのJIROさんに切ってもらっている。毎回、ほぼほぼお任せ。切りたいか、伸ばしたいか、カラーをどうするかだけを伝えて、あとはもう好きにしてください、という感じ。ピンクっぽい色にしたいと言ったらやんわりと却下された。なんていうか、いや、「それは似合わないよー」という強い否定はせずに、やんわりと方向性をずらすのがすごくうまい。だからこそ、全幅の信頼を置いている。あのやんわり会話術、見習いたい。娘なんて3歳の頃から切ってもらっている。生意気!!! JIROさんが「ちょっと世の中的に窮屈になったり、暗いムードが漂った時ほど、明るいカラーリングのオーダーが入るとのこと」。興味深い。しかし、週末に髪の毛を切ると、気持ちがすっきりと整っていい感じだ。来週も頑張ろう。

7月11日(土)

 午後から、サチと一緒に梱包作業。たくさん買っていただき、ありがたいです。今週末は締め切りがないので、NIZI projectを思う存分、楽しむ。特にハマっているのは、ダンストレーナーの2人が、練習生たちの本番のステージを固唾を飲んで見守っているコンテンツだ。YOUTUBEで「虹プロ トレーナー」と入れると出てくるはず。それはもう2人がとびきりに暖かい目で、時に興奮してギャーギャー言いながら、まるで我が子のように日本から来た練習生たちを応援している。「よくやったァァァー!」「ぎゃー、かわいい♡」「うちの子たちが1番上手♡」など、コメントのひとつ一つが愛情深くて嘘がなく、なんだかもう見ているこちらがニコニコしてしまう。複雑な歴史があることは承知の上で、それでも、エンターテイメントができることがあるんだなと、勇気づけられる。

7月10日(金)

 スタジオで撮影。今日はジュエリーと時計。コロナを経て、なんとジュエリーを買う人が増えているらしい。分かりやすく資産価値となるところもいいのだろう。私はパソコンで原稿を書くときに、喫茶店でも、事務所でも、わりとどこでも手の周りのアクセサリーを全部外して書く癖があり、これまでなくした数は数えたくない。以前、<メゾン・マルジェラ>から、4本指すべてにつけるリングがセット売りされていた。シンプルでコンセプチュアルで気に入って購入。1個なくし、2個なくし、3個なくしたところでバッグの底から1個見つけるというような状態で、確か1年後に再度、同じデザインをリピート買い。つまり、計8本。今、多分、手元に残っているのは2本…。はぁ…。そんな理由もあり、アクセサリーはほぼつけず、たまにこれぞと思うバングルとか、モチーフもののネックレスをするくらい。バングルも外すけど、さすがに大きいので失くさない(と思うが自信はない)。ちなみに、ピアスは開けていない。10代後半、父がせめて成人するまでは、ピアスの穴は空けないでほしいなぁなどと言っており、父のことが好きなので「はーい!」と2つ返事で承諾。とっくに何をどうしようが自分の責任という歳になっても、何だかタイミングを逃して空けずにいる。顔が濃くて鷲鼻、骨格もしっかりしているため、大ぶりのイヤリングなどをたまに試してみるが、まあ、似合わない。なんというか、顔が大渋滞を起こしている。交通整理はもちろん望めず、諦めている。今日、被写体として登場してくれた女優さんは、それはそれは透明感で溢れており、ジュエリーも人も輝いていた。はー、美しかった。

7月9日(木)

 今週は原稿を書いたり、Zoomで打ち合わせしたりと、家と事務所での作業が多かった。まだまだコロナの心配もあるわけで、世の中がどうであれ、できる限りで密な場所を避けるようにしている。引きこもり、「NIZIプロ」見て涙を流しながら、作業を続けている。次、カラオケに行けるようになったら、2PMの「I’ll Be Back.」と中島美嘉の「雪の華」を歌いたい。ちなみに、ニナちゃんの歌に感動してしまって、本家のPVをyoutubeに見に行ったのだが、コメント欄に同様のことがたくさん書き連ねられていた。ああ、私も思いは同じです。アイビッバーァァァクッ、きみが望むのならーぁっっ♪ 仕事をしろ!
 今日はTHE SHE magazineの新しいコンテンツもアップした。まずは誰に向けて原稿を書いているかというと、それは、まちがいなく、相棒でプロデューサーのサチである。自分自身がうまく書けたと思ってもダメで、遠くの誰かに、多くの皆さんに届けたいのはもちろんだけれど、サチに届かなければ、そのコンテンツは絶対にアップしない。一からやり直す。サチがバイイングをするときも多分同じで、必ず、一緒に選ぶようにしてくれているから、同じ気持ちでいてくれるのだろう。どちらがどのパートを担当するというわけではなく、できる限りで一緒にやる。
 思えば、40歳になった頃、3年前。仕事は見た目には順調だったかもしれないが、自分としては、ものすごく焦りがあった。今、自分がいる世界というのが特殊で小さくて、ここを一歩でたら、私はなにもできないんじゃないかという焦り。編集者は仕事の幅が良くも悪くも、ものすごく広い。企画を考える、取材したいことや人を探してアポを入れる、絵コンテを描く、一緒に組むスタッフを考える、撮影準備をする、現場を仕切る、お弁当を手配する(得意)、写真を選ぶ、レイアウトデザインを考える、原稿を書く、色校をチェックする、校了するなどなど。最近はイベントに参入したり、トークショーをしたりも。それぞれに得意な箇所があると思うが、自分の強みとは? どんな風に自分のアウトプットが社会と、人と繋がっていけるのか? これまでの主戦場はファッションだけど、ライフスタイルもビューティも、教育も、いろんなことを書いたり、企画したりしたい。でも、専門性は? もう、とにかくその頃の日記を読み返すと苦しいほどに悩んで、葛藤していた。これまで自分が積み上げてきたものがガラガラと崩れそうな勢いで。そこからは内省に次ぐ内省で、本当に辛かったけれど、「その愛すべき雑食の精神で、自分のフィルターを通してつかんだ仕事をなんでもやってみればいいと思う。」と言ってもらったこととか、実際に一歩新しい世界へ踏み出してみたら、まだまだできることがあると思えたこととか、編集者という仕事の枠をぐっと広げてみようと決意できたりとか。ちょっとずつ、ちょっとずつ、トンネルから抜け出す作業をしてきたように思う。自分の仕事はここまでと自分でリミットを決めずに、しなやかでいる。そして、やっぱり原稿を書くのが好きだから、重きを置いて、続ける。そんな風にして、すごくフレッシュな気持ちで、また、愛する仕事に向き合えているのはありがたい。THE SHEもしかり。新しいことを楽しんで、いろいろやっているから、発見が次々とある。
 今日はすぐにサチから「SUPER!!!」とお褒めいただいたので、無事にアップしました。ありがとう、私の心の編集長。さて、明日の撮影も当たり前に頑張ろう、楽しもう、泥臭くも着実に結果に残そう。(あとちょっとだけ「NIZIプロ」見てから…。)

7月8日(水)

 朝からニュースを見るたびに、雨の被害に胸が痛くなる。人は自然には勝てないのだけれど、とにかく、被害がこれ以上広がらないように祈るばかりだ。そして、募金やボランティアなど、自分ができることをしっかり見極めて行動したい。東日本大震災の時に感じたことがある。当時、娘が生後4ヶ月。ストレスや不安を抱えずに、健康で母乳を出すこと、つまりこの小さな命を守ることで精一杯。SNSを開けば、ボランティアへ行った、食料物資を運んだと多くの人たちがポストを上げる。私には、精一杯の募金しかできることはなく、こみ上げる罪悪感。なんというかその画面の中の「正義感」に押しつぶされるような感じがあって辛かった覚えがある。でも、声高らかに募金をしました!  あなたもしましょうと言うのもなんだか違うなあとか。そもそも、個人のインスタも鍵をかけていたし、活発にSNSをするタイプでもなく、と悶々としたことを覚えている。心は被災地へ寄せ、まずは自分の置かれた生活、仕事を頑張る。それで身近な誰かを幸せにして、経済を回す。まずはそれで、いいのかもしれないと思ったりもする。でも、しっかりと支援が届く方法を、自分の見極めた方法で探して、行動に移す。目的が同じであれば、それぞれのやり方でよいのだと思う。兎にも角にも、早く雨がやみますように。

7月7日(火)

 七夕。七夕ってかなりの確率で雨だと思うのは、気のせいか。1年に1回しか会えないんだから、会わせてやってよ。しかし1年に1回しか会えない恋人って、それならもうずっと会えない方が辛くないんじゃないのか。いや、でも1回でも会えるなら…。仕事をしろ!
 今日は自宅で黙々と作業、打ち合わせ、入稿準備。そして夜、ドハマりしそうで色々に支障をきたしそうだから観るのをやめていた「NIZI project」をスタートしてしまう。娘からも観たいとずっとリクエストされており、もう結果は出ているのだが、遅ればせながらスタート。友達たちに「かおちゃん、絶対泣く」だの「令和のアサヤンだぞ」だのレコメンドが多すぎて。えー、そんなにー?と言いながら見始めたら、しょっぱなの合格者のところで号泣。ほんまやー。タイムラグがあるので今更なんだが、ミイヒちゃんの素質がすごそう。アヤカちゃんのかわいさの伸び代がすごい。マコちゃんは女ウケも抜群で、こういう子は愛されるスターになるだろう、とか、目線がもう、J.Y.パークさん側の中年です。そして娘が後ろで超真剣に自作ダンスを繰り返すので、爆笑しないように細心の注意を払いながら、「いいです。」「こっちに来てください。(合格のサイン)」などと言う。娘が何度も「リマちゃんのお父さんのゼブラってさ、」と言うので「ジブラね。ゼブラはシマウマな。」と返す。そのうちに不意に「キリンてなんだったっけ?」などと聞いてくるので、気が抜けない。ジラフだぞ。
 しかしながら、映画しかり、芸能しかり、韓国のエンターテイメントの勢いはすごいな。虹プロを観て思ったんだけど、アイドル像が違う。男性目線がない。ありのままの自分でいい。媚びない強さがガールズパワーに繋がっていて、すごくいいな。歌もダンスも本格派で勝負したい女の子たちは、海を渡って韓国を目指すんだね。
 


 

7月6日(月)

 月曜日からヘトヘトだ。仕事を愛しているし、子育ても当然、目一杯やりたい。となると家事は後回しになるのだけれど、もう、それでいいや!と開き直れるようになった2020年。ヘトヘトというか、ヘットヘト。今日はやれ英語の習い事だ、やれ塾の宿題だと送迎したり、勉強に付き合ったりしながら、パソコン上で打ち合わせしたり、メールの返事をしたり。日曜は娘とたくさん遊びたい! となると月曜日のしわ寄せがすごくなるってことにやっと気づいた。サラダ記念日ではないが、なに記念日だろ。疲労記念日? いやだぞ! そして寝かせる前に、明日、学校で体力テストがあるんだと娘が言うんで、反復横跳びのレクチャー。笑えるほどに運動神経が悪い我が娘、今年こそは少しでもポイントを上げたいとのことで、これはもう、身体能力の高さが自慢、体力の鬼と呼ばれる私の出番である。リビングの床にガムテープを3本貼り、短時間ではあるが、特訓した。めちゃくちゃ真剣に見本を見せていたら、汗だく。「腰を落としてー!体幹ブラさずにー! 上半身は動かないようにー!右足出しても、重心は真ん中! それーっ!」ぜーぜー。いやちょっともう、前日に言うのやめてね。さすがの体力の鬼も、ちょっと40超えて体力落ちてきてるしね。ガムテープ、貼ったままで寝るよ、もう。明日、学校に行く前に、もう一回復習だ。

7月5日(日)

 今日は昼から1日、娘と思いっきり遊ぶ日と2人で決めていた。本当は遊園地へ行きたかったのだが、あいにくの雨なのと電車に乗るのが憚られて断念。予定を変更して、映画館でジブリを観よう!ということで、『千と千尋の神隠し』を観てきた。娘と2人で過去のジブリ映画を映画館で観るのはなかなかによかった。コロナ後に初めて行ったが、一席空けての着席。何度観ても、千がはくにもらったおにぎりを号泣しながら食べるシーンで、私も号泣。そして千が顔なしに「私の欲しいものはあなたには絶対に出せないよ」と正面から言い切る強さ、そしてそれに狼狽しまくる顔なしの両方に涙。上映後に、「自分が欲しいものが分からないのも、自分が好きだと思った人の欲しいものが分からないのも、本当に辛いよね。顔なしにはこれから幸せになってほしいんだ」と言ったら、娘は「顔なしは心の声が小さすぎるんだよね。」と答えた。次は『もののけ姫』を観る約束をした。その後は気になってた小さな観葉植物を買ったり、娘のレインコートと夏のパジャマを新調したり、サンリオを覗いたり、切れていたヘアオイルや気になってた「アムリターラ」のラベンダー石鹸を買ったりと2人で買い物を楽しむ。いやはや、楽しい。大人になってもさあ、たまにはママと一緒に買い物してよねとついお願いしてしまった。そういえばこれまたコロナ後に、初めて百貨店の化粧品売り場を通ったのだが、すべてのカウンターにビニールがかけられていて、テスター禁止になっていた。これは大変だ。特にメイクアップアイテムは、さぞかし売り上げに響くだろうなあ。そういえば、私もオンラインで珍しく濃紺のクリームアイシャドーをポチったのだけれど、実際につけてみたら、完全に、2,3発殴られた後のボクサーになっていた。シクシク。

7月4日(土)

 早々の寝落ちからぐっすり寝て、すっきりとした気分で起床。いや、本当に睡眠は大切。仕事やら家事やら色々終えて、深夜にぼーっと考え事をしたり、Netflix観たり、本を読んだり、漫画を読みながらお風呂に入ったり、あの人は元気かなと考えたり、たりたりたり。なんていうか、都会の深夜は優しい感じがする。田舎の深夜はもうちょっとワイルドだ。虫は鳴くし、むわんと夏の匂いが広がる。深夜は大好きな時間だけれど、やっぱりぐっすり早寝したほうが、そりゃすっきりはするね。
 遅めの朝ご飯を近所のミスタードーナツで。最近、娘の食欲がすごい。背が小さくて華奢なので、どんどん食べろ!私はカフェオレをちびちび飲みながら、若林恵さんの『次世代ガバメント-小さくて大きい政府のつくり方』に着手。娘は隣で『エスパー魔美』を読んでいた。午後はひたすら娘の勉強に付き合う、昼寝、掃除の繰り返し。掃除が全然、終わらない。3日間くらい、掃除休暇をいただきたい。でも、夕飯もしっかり栄養のある和食を作れて満足。夜はまた一人カラオケ状態でウォーキングを楽しみ、途中で迷子になったが無事に生還。温泉の素とバスソルト、発汗タブレットと入浴剤をトリプルできめて、漫画を読みながら、ゆっくり入浴。あああああ、最高。至福。こういう、地味だけど私的小さな幸せのある(切羽詰まった〆切のない)週末が大好きである。

7月3日(金)

 今日は秋冬シーズンのルックブック撮影。スチールとムービーの両方。今年の秋は一体全体、街は、暮らしはどうなっているのだろうかと思いながら、撮影した。プレス担当のあやえちゃんのお腹にいるベイビーはちょうどその頃に生まれてくる。自粛生活に入らずに家族が立ち会えるといいね。撮影終わりで事務所へ戻り、入稿。バスに乗って事務所へやってきた娘と、横並びで座って一緒に勉強&仕事。そして、脱稿。わー、久しぶりになにも急ぎの入稿やら撮影やらが入らない週末だ!と思ったら、思いっきり寝落ち。今日1番楽しみにしていた温泉の素を入れての入浴を逃す。

7月2日(木)

 今日はなんだか1日中、フィジカル的にず〜んとした日だった。頭が重い、ダルい。そんな日は無理せずいこう、極力サボろう。難しいけれど。午後から THE SHEのプラットフォームのデザインを担当してくれているクマちゃんと、構造、技術面を担当してくれているツッチーを交えてミーティング。クマちゃんに「日記に書いてあった、ハンカチがなくてマスクで汗を拭いた話がすごく面白かったです」と言われ、そういえばトートバッグでも拭いたことがあることを思い出した。打ち合わせに遅刻して、「すみません!!!」と席に着いたら、顔から汗が噴き出してきた。恥ずかしくなってハンカチを探したら忘れてきている。汗は止まらない。手で拭くには心もとない。遅刻した手前、すぐにトイレに行くのも憚れる。落ち着け!と思えば思うほど汗が出る。この時だけは己の新陳代謝の良さを呪う。その時、目の端に飛び込んできたのは布バッグである。布、発見! 荷物を出すフリをして、思い切って布バッグでぐいぐいと大胆に汗を拭き取ってやった。布バッグ愛好家でよかったと思う瞬間である。嘘だ、いい加減にしろ、私! クマちゃんはまだ笑ってくれるだろうか。さすがにドン引きするだろうか。多分、これを読んだ母が頭を抱えていると思う。
 そして、コロナ感染者の数字である。昨日、小池百合子が「60人台に乗せると聞いています」とかなんとか言ってたところで嫌な予感はしていたが。特に策もなく、経済を止めるわけにもいかず、このままなんとなーくやり過ごしていくのか。自粛→自衛に変わった矢先にこれだ。withコロナなんてキャッチーな?言葉で誤魔化していくと大変なことになりそうだ。国は何もしてくれないから、都に政策はないからと、個々人で考えていくしかないということが加速するのだろうか。うーむ。兎にも角にも、有権者が皆、選挙へ行ってほしいと願う。
 

7月1日(水)

 午前中から都内スタジオで物撮り撮影。久々に早い時間に電車に乗った。当たり前のように満員電車なのだな。つり革を持つのもちょっと怖い。香水はほぼつけないけれど、お香とかエッセンシャルオイルとかバスオイルとかキャンドルとか香水より少しだけ体から距離のある香りを色々と楽しむのは好きだ。本のしおり代わりに、サンタ マリア ノヴェッラの紙のお香を挟んでいる。バッグをガサゴソしたときとか、本を開いたときに香ってきて、落ち着く。電車の中でむわ〜んとした湿気に包まれてしまうときは、本を広げてスーハースーハーして耐えている。最近はマスクをしているから、そんなこともできないのだが。ちなみに紙のお香は引き続き、しおりとして次の本にスライドするときもあれば、事務所で焚いて煙にしてしまうときもある。煙になるとまたこれがいい香り。紙だから余計に儚くて切なくてよい。お香に書かれたアルファベットがじんわりと焼けていくのを、ぼーっと見るのも好き。多分、本棚にある本の幾つかには挟まったままになっているはずで、何年か先に読み返したときに発見するのを楽しみに待っている。
 終わってしまうのがもったいなくて少しずつ観ていたNETFLIXの『ザ・クラウン』シーズン3を見終えてしまった。

6月30日(火)

 もう6月も終わり。2020年上半期が終わり。2月で3年続いた大殺界が開け、THE SHEを始め、コロナ禍という未曾有の事態はあったものの、個人的には前に進めている気がする。後半も私らしくいこう。日々、真面目に頑張る。結局のところ、これに尽きる。ユーモアを忘れずに、注意を向ければ自分の周りに必ずある小さな幸せを意識して、とにかく真面目に頑張る。
 最近、家族が寝静まった後にJ-POPを聴きながら、一人カラオケ状態でウォーキングするのにはまっている。昨日なんてサザンが流れ始めたもんだから、もうどこまでも行けそうな気がしちゃった(行くな!)。『希望の轍』のイントロで、思わず右拳を突き上げて「ヘイ!」と言ってた。完全に危ないやつである。深夜にウォーキングをしていると、大型犬を多頭連れたお散歩に出くわす率が高い。グレードデンとか、ハスキーとかグレートピレネーマウンテンドッグとか。偶然を装うふりをして、思いっきり意図的に近づき、触らせてもらう。はあああ、可愛いよう。夏の夜に獣の匂いが混じる。「お昼間だとびっくりしちゃうでしょう? だからいつも夜なの。」という飼い主さんが多かった。深夜は幽霊と大型犬の時間なのだ。