THE SHE

UPCYCLE & FLISTFIA

今、1番着たいスウェット。

今年の2月頃からだろうか、スウェットのセットアップをファッションとして着ている人が急に増えた。分厚い肉厚の上下、色は霜降りグレーや白。その上からロングコートや紺ブレを羽織っている女性が急激に増えて、ちょっとびっくりしてしまったほど。早い人はすでに取り入れており、夏を挟んでおそらく秋冬はもっと着用人口が増えるはず。そう、スウェットは今年の秋のトレンドなのである。

しかし、トレンドだから飛びついたわけではなく、THE SHEにとっては定番中の定番。秋から夏の手前までの季節は、朝から晩まで、外でも家の中でも、四六時中着るから、2人ともが色・形・ブランド・ヴィンテージ問わずに持っている。スウェットのいいところは、とにかくガンガン着古して、くたくたになって袖や裾のリブがじんわりと裂けはじめてやっと味が出てくるところだ。破れもシミも変色も、そのどれもが愛おしく思える。

THE SHEにとってTシャツが、着古したらまた同じものを買うことを繰り返す「一生ものの消耗品」だとしたら、スウェットは文字通りに、「一生もの」かもしれない。そんなわけで、スウェットに対する、”いいものがあれば片っ端から知りたい・試したい”センサーの発動っぷりはすさまじいほどと自負している。

 

 

スウェットに対するかなり重めの愛を持って、この秋にTHE SHEへアップするのは、L.A.の<UPCYCLE>と、日本の<FLISTFIA>の2ブランド。<UPCYCLE>はまず、オーガニック&リサイクルコットン素材にこだわっている。サスティナビリティに対してかなりストイックな精神で取り組んでいる姿勢をリスペクトしているけれど、ディテール使いと着心地、カラーリングがとにかく素晴らしい。これはぜひ、セットアップで楽しめるように、フーディ、クルーネック、パンツ、いろいろな取り合わせを用意した。基本のスモーキーグレーと白はもちろん、絶妙に青みがかったピンク、ブライトなイエローくらい、とことん色を楽しむのも気分だなと思っている。昨年、あっという間に完売した<FLISTFIA>はオーバーサイズのブラックをチョイス。変形のフロントポケット、フリーダムスリーブ、ウォッシュ&ストーン加工、ふかふかの裏起毛…、マニアックなディテール使いのおかげで、体はきれいに見えて、着心地はよく、多様なボトムに合う。まさに逸品と呼べるスウェットなのである。

 

セットアップで楽しむか、単品で着るか、ボトムで取り入れるか。1番自分の気分にしっくり馴染むものを選んでいただきたいなと思いつつ、秋のトレンドアイテムでもあるから、色、形、アイテム、スタイリング、どれかひとつでも新しくアップデートしてみることをおすすめしたい。

Text : Kaori Watanabe<FW>