THE SHE magazine
鈍色の彼女

インパクトのあるビビッドカラーでも潔いモノトーンでもない、白黒つけない色に惹かれるのは、いつも冬な気がする。汗がダラダラと止まらない夏は、どれだけ好きであってもグレーのTシャツは残念ながら避ける傾向にある(のは自分だけでしょうか)。その反動もあるかもしれないけれど、なにより冬のグレーは、カットソーもニットも風合いが豊かでつい見惚れてしまうのだ。心がほっとする優しさを感じるのに、ひんやりと澄んだ空気が似合う清々しさも併せ持っている。そして、どんな色とも調和するというのが、つい手に取ってしまう理由だと思う。
特に今シーズンは「グラウトフィット(gray+outfit)」という造語が生まれるほど、グレーが再注目されている。旬であるのは間違いないけれど、ベーシックカラーがゆえに気負わず、全身で取り入れられる。今季のトレンドカラーに浮上したということもあって、やっぱりこの冬こそ取り入れない手はない。
なんでもない日が豊かになるツイードのセットアップ


ウールのツイードといえば「特別な日に着るもの」というイメージが強いけれど、それを素材の選定やシルエットの妙によっていい意味で裏切り、日常着に落とし込んだのが〈レイヤーズ〉。モードや古着、ストレートカルチャーまで熟知しているロンドン在住経験のあるデザイナーが手がけたのは、モダンなオーバーサイズのセットアップ。ヒップをすっぽりと覆う長い着丈を生かして、サイドには深いポケットが施されている。さっとスマホやリップを収めて、春が来たらこのセットアップで街を歩きたい。ゆったりとした身幅で重ね着もしやすいから、プレーンな丸首と相性のいいフーディを忍ばせるというのもいいアイデア。
極上のカシミアならではの奥行きを満喫する冬の贅沢

〈エクストリーム カシミア〉は絶妙な色みのグレーが幅広く揃う。ウェアをはじめ、ニット小物やアクセサリーまで、ちょこちょことワードローブに増やしていきながら自分だけのレイヤードを贅沢なカシミアで楽しめるという希少なブランドだ。定番のストレートパンツと新作の七分袖トップスは同色をセレクトし、セットアップ感覚で。グレーの明度が異なる大判サイズのバンダナとコードは、ワントーンの着こなしにアクセントとして加えるのが有効。ウエストの高い位置で巻けばスタイルアップにも直結し、冷え対策も叶うというのがカシミアのいいところ。
トップス「SASSIE(COLOR/ GREY)」¥104,500〈エクストリーム カシミア〉
パンツ「RUSH(COLOR/ GREY)」¥96,800〈エクストリーム カシミア〉
ウエストに巻いた「WITCH(COLOR/ HEAVEN)」¥51,700〈エクストリーム カシミア〉
大判バンダナに巻いた「CORD(COLOR/ CONCRETE)」¥11,000〈エクストリーム カシミア〉
ニットキャップ ¥24,200〈エントワフェイン〉
シューズ/モデル私物
色と素材のグラデーションを軽快に楽しむ

肩が凝りがちなアウターの中に着るトップスは、薄手で軽くてあたたかくあればあるほど最高。ぴたっとしたニットであるならば特に、肌触りのよさも重視したい。そんな気持ちにさらりと応えてくれる〈ベースレンジ〉のポロニットと〈エクストリーム カシミア〉のベストを重ねてみたら、はじめからそういうデザインであったかのようにマッチ。どちらも細かいリブが施され、フィット感が高いのに締め付けは少ないのが嬉しい。そこに合わせたのは、スパークルがきらめく軽やかなシアースカート。密着するトップと開放的なボトムのコントラストが装いにリズムを生む。もちろん、寒ければパンツやスカートを中に仕込むのもおすすめ。

この冬に実践したい、ポイントメイクも注目。青みのあるグレーのアイシャドウは、自然と浮かび上がる頬のほてりをクールに引き締める。上から下にかけてアイホール全体にグラデーションを描き、あえて二重の幅にかからないよう瞼の上に余白を作るのがコツ。そうすることで、ほどよくナチュラルで強すぎない繊細な質感に仕上がる。
ベスト「LIBRA(COLOR/ SHADOW)」¥62,700〈エクストリーム カシミア〉
中に穿いたショーツ、タイツ/スタイリスト私物
シューズ/モデル私物
気になる配色、淡いグレーとピンクを重ねたら

グレーのフーディといえば定番中の定番アイテムだけれど、〈ベースレンジ〉はひと味違う。まず袖を通して驚くのが、その着心地。オーガニックコットンとリサイクルコットンをブレンドした生地がふんわりとしていて軽く、保温性にも優れているから、スウェットというよりもフリースを着ているような感覚に。淡いグレーと好相性なサーモンピンクのトップスとバッグは、一見すると同じ色に見えるけれど、実は別のブランド。こんなところにも、THE SHEの今の気分が反映されている。
スキニーパンツ「BEAT(COLOR/ GREY)」¥66,000〈エクストリーム カシミア〉
日々のアウターの選択肢に鈍色のジャケットを加えて


ついダウンジャケットばかりに手が伸びてカジュアル一辺倒になりがちな冬も、たまには品のあるテーラードジャケットを羽織って気分転換したい。重厚感のあるメルトンウールを思わせる1着は、100%ポリエステルのジャージー素材を使用。実験的なテキスタイルを得意とする〈フリストフィア〉のものだ。見た目以上に軽量なのに保温力もあり、ストレッチが効いていて動きやすいため、ニットのカーディガンのようにラクな着心地。マキシ丈ドレスとのレイヤードも、ボトムにカシミアパンツを忍ばせればドレッシーさが抑えられ、リラックス気分で着こなせる。
ジャケット ¥24,200〈フリストフィア〉
パンツ「RUSH(COLOR/ WAVE)」¥96,800〈エクストリーム カシミア〉
シューズ/スタイリスト私物
顔まわりを優しく包み込む、カシミアの防寒具

この時期、特に問い合わせが増えるのが〈エクストリーム カシミア〉のバンダナ。毎年、秋冬シーズンに新色が登場するけれど、アウターの首元から覗かせることを前提に、多くの方々がベーシックなグレーを選ぶ。異なる濃淡から、より自分の好みや気分の色を選べるのも人気の理由のひとつだ。今季、新たに仲間入りしたリブ編みのビーニーは、厳密にはホワイトに分類されるけれど、光の当たり方によって淡いグレーにも見えるアイシーなニュアンスが絶妙。もし叶うなら、頭と首元にカシミアをダブル使いして冬をあたたかく快適に乗り切りたい。
「HAT(COLOR/ CHALK)」¥27,500〈エクストリーム カシミア〉
(左)「WITCH(COLOR/ HEAVEN)」¥51,700〈エクストリーム カシミア〉
(右)「BANDANA(COLOR/ SHADOW)」各¥26,400〈エクストリーム カシミア〉
グレー好きにはたまらない〈マリア ラ ローザ〉の靴下

イタリアから到着した〈マリア ラ ローザ〉のソックスは、ホリデーシーズンのギフトに最適。贈る相手がどんなボトムを穿いていたか記憶をたどり、豊富なカラーバリエーションの中からその足元に合うグレーをじっくり吟味する時間も楽しい。もちろん自分のワードローブに、一色だけとは言わず好きなだけ迎え入れても。光沢が美しくなめらかな質感のリブ編みと、ストライプを掛け合わせたほっこりしないケーブル編みから選べる。
リブソックス(COLOR/ 左からミドルグレー、ライトグレー、霜降りブルー)各¥3,520〈マリア ラ ローザ〉
ケーブル編みソックス(COLOR/ チャコール)¥3,850〈マリア ラ ローザ〉
Photo: Kazuki Shigeru
Styling: Sayaka Shimizu
Hair & Make-up: Nanako Yajima
Model: Julie Hachiya
Text & Edit: Erina Ishida(THE SHE)


