THE SHE

T-SHIRT

THE SHEのTシャツ祭り vol.2

雨が降ったり止んだりして、冷える夜を予測してロンTを着るか、いちかばちか潔く半袖Tシャツ1枚で外出するか悩ましい日々が続きますね。さて、THE SHEのTシャツ祭り、今週も続きます。今回は、アシスタントを含める3人が、まるでスタッフTシャツのごとく夏に着倒すTHE SHEのオリジナルTシャツ、大人気ブランド<KkCo>とのコラボロンT、シンプル好きにイチオシなブランド<UPCYCLE>の3本立てでご紹介。前回よりも、ちょっぴりベーシック寄り(?)なTシャツが揃っています。

初回はこちら→THE SHEのTシャツ祭り vol.1

 

 

<THE SHE T-SHIRT>

左上:THE SHE Tシャツ 011(CHARCOAL GREY + Ok?)・左下:THE SHE Tシャツ 013(NAVY + Ok? XS)・右上:THE SHE Tシャツ 012(ICE GREY + aww!)各¥3,300/THE SHE

 

去年の夏、発売を開始したオリジナルのTHE SHE Tシャツ。梱包、発送までのすべてを自分たちで行うTHE SHEにとっては、オープン当初にたくさんの注文をいただいて嬉しい悲鳴をあげた、思い出深いアイテムです。根本的な話に戻ると、まずTHE SHEは「私たちにとってのスタンダード&私たちにとってのポップアップ」を軸にしています。ここでのスタンダードというのは”一生愛せる定番モノ”、”自分のファッションの軸となるもの”という意味。それは、なにも一生使える高級品に限る必要はない。着古しては同じものを買う、いわば消耗品のようなスタンダードだって必要だという思いから、お二人が考えるその最たるものを! とオリジナルTシャツの製作を思い立ったとか。KAORIさんは編集者、SACHIさんはバイヤー、ショップ経営と、分野は違えども長くファッション業界に携わってきたお二人だからこそ、ボディの生地感や丈感、襟ぐりの開き方といった細部にまで自分たちのこだわりがあります。2人で意見を出し合って考えてはトライし、手直し、最終的にSACHIさんが完成させたのがこのオリジナルTシャツなんです。胸元にひっそり佇むようにあしらった”Ok?(よし、一緒に進むよ?)”、”aww!(きゃわ!)”というプリントは、パッと見たときに楽しくて、前向きなメッセージを入れたいという理由から、この言葉に決まったそう。余談ですが、きゃわ!はSACHIさんが毎日のように発している口癖で、私もよく耳にします。半年足らずで数種類用意していたTシャツはほとんど売れてしまったため、満を持して3種類の新作が登場しました。

 

THE SHE Tシャツ 011:

ボディはゆったりと着られるメンズSサイズのALSTYLEを使用。Tシャツの生地にしっかりとした厚みが欲しい人、体のラインを拾わないボックス型が好きな人におすすめです。絶妙な詰まり具合のクルーネックはロックミシンで襟付けしていて、表のデザインに響かない心配りが嬉しい。チャコールグレー、ネイビー、ブラックといったシックで便利な3色展開です。

THE SHE Tシャツ 012:

GILDANのボディを使った012は、襟がリブ仕様のバインダーネックなので、着脱時にへたりにくく、タフ。同じTシャツを着すぎて、気がついたら襟元がヨレヨレなんてトラブルも軽減します。こちらもサイズはメンズのSですが、身頃にフィット感があり、ややヒップにかかる丈感も相まって011よりも少しだけ女性らしく着られます。5色展開で、プリントの種類を選べるカラーもありますよ。

THE SHE Tシャツ 013:

クルーネックのGILDANボディ。011と同じくロックミシンの襟付けで、首元がすっきりとした印象に。プレミアムコットンのなめらかな肌触りが心地よく、011、012と比べてみるとやや小ぶりなサイズ感。重ね着するときにかさばりにくく、薄手のワンピースなどとの合わせで一番重宝するのがこのタイプです。ネイビー、白、黒の万能カラーを用意しました。

 

THE SHE Tシャツは、70センチほどの少し長めなネックレスをセットすると、ちょうどチャームがかぶさるくらいの場所にプリントを配置しています。この夏は、トレンドのビーズジュエリーやチェーンネックレスを身につけて楽しむのもよさそう。

 

<KkCo×THE SHE>

写真左(モデル着用):2ラインロングTシャツ 白¥17,600/ケーコー カシミアジョグパンツ 霜降りグレー¥55,000/エクストリームカシミア(ともにTHE SHE) その他/私物 写真右:2ラインロングTシャツ 黒¥17,600/ケーコー(THE SHE)

 

つけ襟やドレスなど、展開するアイテムが続々とヒットを飛ばし続け、THE SHEが絶大な信頼を寄せているブランドのひとつ、<ケーコー>。SACHIさんの「ユニークでTHE SHEらしいロンTが欲しい!」というリクエストにデザイナーのKARAが快諾してくれたことからコラボロングTシャツの製作が始まったそうです。ロンT作りにあたっての経緯や思いなどは以前KAORIさんが詳しく記事にしているので割愛して、ここではデザインについてちょっと深堀り。一番のポイントはなんといっても、袖に配した左右色違いのライン。インクが立体的に浮き出るパフプリントを採用し、通常のプリント加工より存在感のあるものに仕上げています。ラインについては、プリントの仕方はもちろん、配色や長さ、幅にいたるまで何度もSACHIさんがKARAとやりとりをして今の形が完成したとのこと。身頃はややオーバーサイズのメンズっぽいボックス型ですが、控えめなサイドスリットを忍ばせ、前身頃を短めに設定することで女性が似合うシルエットに。ドロップショルダーの袖は女性が着るにはちょっと長く感じるような丈感ですが、それも袖口を一折り、二折りほどして着るのもかわいいよね、というシンプルながら計算され尽くしたデザインなのです。私はスウェットパンツなどのボーイッシュなボトムと着るのが好きですが、KAORIさんの花柄スカートを合わせたコーディネートがかわいくて、真似したいなと思い続ける最近。ハリのある素材で、じめじめとした梅雨にもおすすめしたい1着です。

 

<UPCYCLE>

リンガーTシャツ BLACK¥4,840/アップサイクル(THE SHE)

 

L.A.発の<アップサイクル>は、今、ファッションと密接に関係しているサステナビリティという課題に、実に真摯に取り組んでいるブランドです。このあたりも長くなってしまいそうなので、過去記事を一読ください(サステナブルという言葉の勉強にもなりますよ)。<アップサイクル>のウエアは、基本的にこれといった大胆な装飾などはなくアイテム自体はシンプルですが、生地感やちょっとした丈のバランス、他ではなかなか見かけないカラーリングなど、ディテールがとびきりに優れているのが魅力です。手持ちの洋服と簡単に合わせられるデザインで、自分の中でなんとなく、このTシャツを着るならばボトムはこれだよねー、とコーディネートが頭に浮かぶのです。フロントにプリントをあしらったものが主流なリンガーTシャツは、無地にすると、なぜだか逆に新鮮な印象を受けるのが私だけでしょうか?ボディは白のみ、配色は黒と赤の2色から選べます。ジャストなサイズ感なので、ボリュームのあるボトムを合わせたいところ。そして、やっぱり気になる素材は、廃棄されたペットボトルや自社工場から出た端切れなどを再利用した完璧なるリサイクル仕様(リサイクルポリエステル60%、リサイクルコットン40%)とのこと。このかわいさで環境にも優しいんだから、あっぱれです。

 

左上:Tシャツ 白・左下:Tシャツ ネイビー・右上&右下:Tシャツ 黒 各¥4,290/アップサイクル(THE SHE)

 

単色Tシャツももちろん、リサイクルポリエステル60%、リサイクルコットン40%の本来ゴミになってしまうものを再利用して作られたTシャツです。リブ仕様のバインダーネックは襟元がよれにくく長く着られる。考えすぎかもしれませんが、そのようなディテールにもサステナブルな精神が詰まっているように感じます。肉厚でコシの強いヘビーウェイトでありながら軽量な生地感、ほどよく落ちる肩のラインによって、少し華奢に見える効果も。白、黒、ネイビー、いい意味で無難な3色はどれを選んでもヘビーユース間違いなしです。

 

THE SHEのTシャツ祭りはいかがでしたか?気になるTシャツ、見つかりましたか?私はこの原稿を書きながら、家のクローゼットを眺めながら、溢れんばかりのTシャツの山を掘り出しては枚数を数え、今年はどんなTシャツを迎え入れようか、そもそもこれ以上Tシャツを増やしていいのか、絶賛葛藤中です。でも、夏が近づくと狂ったように新しいものが欲しくなってしまう。Tシャツって罪ですね〜。

Text: Erina Ishida<FW>