THE SHE

LASTFRAME

<ラストフレーム>のハッピーな新作が仲間入り

 <ラストフレーム>のリブ編みバッグは、THE SHEでも長く人気の続く、ヒットアイテムのひとつだ。デザイナーの奥出さんが日本の伝統工芸や職人の技術を絶やさぬことを目的に、唯一無二な物作りを目指して2018年に立ち上げたブランド。シルクスカーフをリリースした後に、日本に残っていた稀有な編み機を所有する工場に出合い、作り始めたのがリブ編みバッグだ。詳しい経緯は前回のインタビューをぜひご覧ください。

 今回、THE SHEに2型3色の新作が仲間入り。人気の高い、ポップなチェッカー柄はネオンイエロー×パープル、そしてグリーン×ホワイトの2色。どちらも爽快でハッピーな色合いで、着こなしをぱっと明るくしてくれる力がある。寒く薄暗い冬の日に持つと、カラフルな色に元気をもらえるし、ダークになりがちな装いのアクセントになるのも嬉しい。季節が変わってコートを脱ぐ頃には、シンプルなロンTやカットソーにブルーデニムを合わせて持ちたいなと思う。その時、世の中はどんな風になっているだろう。春の日差しを浴び、このバッグを肩にかけて、颯爽とウキウキした気持ちで街を闊歩できていたらいいな。新色のバッグを見ながら、そんなことを思った。人をちょっと元気にする、背中を押す、気分を上げる。それはファッションが持つ力だと信じているが、まさに<ラストフレーム>のバッグがそんな感じ。肩にぶら下げたとき、不意にガラス窓に映るとき、ソファの上に置かれた色柄が目に入るとき、いつもちょっと気分が上がる。

 もうひとつは新しいフォルムのトートバッグ。逆台形で、角が丸く、なんとも可愛らしい形だ。この立体的なフォルムをリブ素材で作るにはかなりの技術と試行錯誤があったと思う。型崩れせず、収納力があり、ファッション性もバッチリ。THE SHEはどんな装いにも合わせやすい、モノトーンをチョイスした。

 最後は、黒×白の太めのボーダー柄。これは新色ではないけれど、THE SHEには新しく仲間入りしたものだ。性別や年齢、時代、おしゃれのテイストを超えて、老若男女が楽しめるバッグだと思う。もしもこのバッグが100年前に作られたもので、今、古着屋で見つけたら、私はきっと買ったし、100年後の古着屋にも並んでそうだと思う。「境界線を超えていけ」が、来年の私的テーマ。すでにそれをさらりと表現しているこのバッグを、お守りみたいに持ち歩こうかなと考えている。

Text : Kaori Watanabe