THE SHE

MY LIFE, MY STORY

「私という物語」Vol.6 <BONCHEY>デザイナー Wara Juana Gutierrez-Mamani

THE SHEの2人がワクワクするクリエイションを届けてくれる、大好きな女性たちを紹介する連載「私という物語」。今回は、オランダよりユニークな遊び心たっぷり、日常で気楽に楽しめるバッグやTシャツなどを展開する<BONCHEY(ボンチー)>のデザイナー、ワラの登場。本名はWara Juana Gutierrez-Mamani。作り出すアイテムと同じくらい、チャーミングな人柄のワラに、THE SHEからの質問に答えてもらいました。

THE SHE ハロー、ワラ! 遊び心たっぷりのマルシェバッグをTHE SHEで展開できることをとっても嬉しく思ってます、ありがとう。

Wara こちらこそ、まずはお礼を言わせて! THE SHEの素晴らしいウェブプラットフォームに<ボンチー>が仲間入りできて本当にハッピーよ。

THE SHE 今日は聞きたいことがたくさんあるんだけれど、まずはブランドを立ち上げた経緯から聞かせて。

Wara すべての始まりは、父の故郷、ボリビアを訪れたことから。着いてすぐからこの国のすべてに魅了されたと言っても過言ではないんだけれど、特に夢中になったのが”チョリータ”と呼ばれる先住民の血を引く女性たち、それから彼女たちの着こなし。本当にエレガントで、華々しい色とりどりの洋服を難なく組み合わせていたの。それでね、彼女たちはみんな色違いだけど、同じ形のバッグを持ってることに気がついたのがきっかけ。

THE SHE このマルシェバッグ、なんと言っても、この力強いボリビアンカラーに元気をもらえる。

Wara そう、私もまずはこの独特の色使いに恋をして、次に、とびきり軽いのに本当に丈夫な機能面にも惹かれた。でもやっぱり、美しくてパワフルな”チョリータ”が持っていたということが、このバッグに惚れ込んだ1番の理由なの。ボリビアでは彼女たちは真のスタイルアイコンよ。でも、悲しいことに先住民は長い間、差別を受けてきた。かなり改善されたとはいえ、今でも差別は根絶されたとは言い切れない。私は、彼女たちはボリビアのいう国の誇りであるべきだと思っているの。<ボンチー>のバッグを通じて、素晴らしい装いも含め、彼女たちのことを世界中に広く伝えたい! それが成し遂げられたら、私は本当に幸せだわ。

THE SHE その熱い思い、私たちもしっかりと受け取った! かわいいブランド名の由来にも深く関係していると聞いたけど本当なの?

Wara そう。<ボンチー>の「ボ」はボリビアの「ボ」なのよ。ポップで愛らしいブランド名にしたくて色々とそれにくっつける言葉を模索しながら、最終的にこの名前に落ち着いたというわけ。

THE SHE <ボンチー>の魅力を3つの言葉で表すとしたら?

Wara 愉快・好奇心旺盛・気取らない。もし<ボンチー>が人間だったら、きっとそんな人柄だと思うわ(笑)。

THE SHE ブランドが掲げる、普遍的なテーマは?

Wara ”チョリータ”のアイコニックなバッグをエシカルな環境で高品質に作り、それをファッションアクセサリーとして世界中に広めること。そして、ボリビアでの生産を続けることで、雇用を生み出すこと。

THE SHE ワラは地元のアムステルダムで、このマルシェバッグをどんな風に使っているの?

Wara オランダでは、自転車で移動する人がとても多くて、私もその一人なの。だから、自転車のハンドル部分に気楽に引っ掛けて出かけることが多いかな。私の友達は一緒に暮らしているシャム猫をバッグに入れてお出かけしてるのよ! あまりにもかわいいから、見てほしいわ。

TESSASWINKELS_CATINBONCHEY

(上記をクリックして、バッグにすっぽりと入って、運河沿いを颯爽と散歩する猫ちゃんの姿を動画でもぜひ♡)

THE SHE か、か、可愛すぎるね。ほんわかと幸せな気分になった、共有してくれてありがとう。じゃあ、次の質問! まさかこんなにも長く続くとは思っていなかったコロナ禍中の生活。ワラは何を感じ、どんな風に過ごしている?

Wara コロナに陥ったばかりの頃、ヨーロッパのたくさんのブランドが脆弱な国に拠点を置いているサプライヤーに対して、すでに発注済みの注文をキャンセルしていると聞いて、とても悲しくなったの。彼らにこそ、仕事とお金が必要なのに!と憤りも感じ、私たちはまったく逆のことをすることにしたわ。<ボンチー>の5つのバッグに関しては、売上の50パーセントをボリビアのサプライヤーに提供したの。街が完全にロックダウンしたときは、アニエス・ヴェルダの映画のような、機知に富んでいて、元気づけてくれるコンテンツをたくさん観た。

THE SHE 再び、世界中を自由に行き来できるようになったら、まずどこに行きたい?

Wara WISH LISTのトップにあるのは日本!ずっと言い続けているのに、まだ行けずにいてなんだか恥ずかしいほど(笑)。それくらい、どうしても行きたいの。

THE SHE 絶対に来てね。私たちもワラが住むアムステルダムに行って、直接あなたに会える日を楽しみにしてる。私たちを連れて行きたいと思う、お気に入りのアドレスを教えて。

Wara もちろん! そんな日が待ちきれないわね。いくつかピックアップしてみると…

①市内中心地にある1642年創業のCafe het Papeneilandでスラグルーム(ホイップ入りアップルパイを食べる。

②アムステルダム国立美術館やエルミタージュ美術館へ行く。FOAM、Huis Marseille、EYEという小さなギャラリーも素晴らしいので、回る。

③友達が主催しているアートギャラリー「GalerieFleur & Wouter」を案内する。きっと2人を大歓迎してくれるはず。新進気鋭のアーティストを見つけるなら絶対にここ。

④ボートを借りる。水辺から見渡す街はとっても美しいから。

⑤1912年に建てられたアール・デコ様式の映画館「TheMovies」、または世界で最も美しい映画館に選ばれた「Tuschinski」で映画を観る

⑥Noord地区にある私のお気に入りのお店でショッピング

⑦たくさんの素晴らしいレストランでご飯を食べる。 「Rijsel」、「Sichuan」、「 Goudfazant」など。

⑧オランダのファーマーチーズ「beleganBoerenkaas」を買い、ニシンと一緒に食べる。これはオランダの数少ない珍味だから!

THE SHE たくさんの楽しそうなTO DO LISTをありがとう。今すぐ行きたい。まだ行けないけれど、脳内でアムステルダム旅行を楽しめて、今、とても幸せな気分です! では、これが最後の質問。ワラが次に<ボンチー>でやりたいことがあれば教えて。

Wara まずはボリビアでの制作をこの先も続けていくこと。世界中からパーツを集めてひとつのアイテムを作るのではなく、ボリビアにすでにある素材を用いることも重要視していくわ。それが私たちの考えるサスティナビリティだから。そして夢もあるの! それは<ボンチー ケーキショップ>を開いて、ボリビアのケーキを置くこと。とても美しくて美味しいのよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

Text : Kaori Watanabe<FW>