THE SHE

Accessories

物欲の向かう先は小物

 

 

ニュースを見ていると、今年の夏も猛暑、いやそれを上回る酷暑が予想されるとのことで、梅雨真っ只中の束の間の涼しさを堪能している今から怖気づいている。本格的に暑くなったら何を着ようか? きっとトップスは楽ちんなTシャツかノースリーブ。ボトムは当たり前に風通しのいいものを手に取り、レイヤードを楽しみたい気持ちとは裏腹に、ごくシンプルななんてことない服装に落ち着き、鏡の前で「まぁ、今日はこれでいっか(いつもだろ! と周りの大人からツッコミが入りそう)」と妥協している自分を容易に想像できる。

 

それでも、多少なりとも“おしゃれしている感”は担保したい気持ちはある。ということで今回は、ちょっぴり手抜きした日でも一点投入するだけでおしゃれ欲が満たされそうなバッグやアクセサリーの魅力をお届け。

 

 

 

機能的でエレガント。

本質がいいエブリディバッグ

パリを拠点にする2人組デザイナーが手がけるレザーバッグブランド〈ファン〉。THE SHEは日常的に使いやすく、機能面にも優れた2種類をセレクト。左のLISSEは、タブレットが入る正方形に近いやや長方形。マチがあり見た目以上に収納力が高い&側面にはポケットが施され、カードケースや外出先で手に入る紙類(美術館や映画のチケットをしまう場所に毎回悩む)をさっと収納できるのも刺さるポイント。右のMIEは言わずもがな、食パンのような横長シルエットが可愛い。ブランドの特長である長く華奢なハンドルとの対比もユニーク。どちらも開口部にマグネットが仕込まれているから、ポロッと荷物が飛び出てしまう心配も無用だ。お財布とじっくり相談したい価格ではあるけれど、ひとつあれば間違いなく頼りになってくれる。この夏こそ、おしゃれなパリジェンヌへ近づきたいあなたへ。

 

バッグ 左から「LISSE」¥148,500「MIE」¥126,500 共に〈ファン〉

 

 

 

“頭からつま先まで”のマルチユース!

ハンドメイドのビーズバレッタ

ブルックリンから日本発上陸! デザイナーやイラストレーターとして活躍するファッショニスタ、マイア・グラダンテが2024年秋にローンチした〈レゴ〉。ヘアピンやイヤリングなど、色とりどりのビーズでハンドメイドしたカジュアルなアクセサリーが得意な彼女。まずデリバリーしたのは、4種類のバレッタ。髪留めとしてだけでなく、デニムのベルトループや肩掛けしたシャツの袖、スニーカーの靴紐につけても成立する、これまでにない発想にときめきが止まらない。THE SHEは写真のJELLYFISH、文字どおり雲のようなフォルムのCLOUDをそれぞれ2型ずつ展開。いずれも一点ものなので、気になる方は早めにチェックを。

 

バレッタ「JELLYFISH」¥17,050〈レゴ〉

 

 

 

肩掛けか、ウエストポーチか。

気分で楽しむミニバッグ

今季は、オランダ発の〈スケイプスボスマン〉と初コラボレート。製作したのは、ダークネイビー×白ステッチの象徴的なディテールを落とし込んだミニバッグ。微光沢のあるウォッシュドツイルコットンを使用し、カジュアルでありながら大人が持ちやすい品もある、ほどよいバランスを追求した。コットンのストラップを約130cmと長めに設定しているから、クロスボディはもちろん、紐を腰に結び直してウエストポーチとしても楽しめる。20点限定販売で、フラップを開くとロゴと一緒にデザイナー直筆のシリアルナンバーがあしらわれている。何番になるかは手に届いてからのお楽しみ! お出かけの際は、スマホ、財布、リップクリーム、移動中に読む文庫本も入れておけば、充実した日になりそうだ。

 

ミニバッグ ¥13,200〈スケイプスボスマン×ザシー〉

 

 

 

色と形にセンスあふれる

モダンなパファーバッグ

スペインのマドリードから〈コキヨ〉が到着。ナイロン素材のふんわりと柔らかいパフィバッグがシグネチャーだ。今回は、荷物が多い仕事の日や2泊3日の旅行もギリギリこなせそうなビッグサイズのRectangulo Puffと、遊びに行くのにちょうどいい横長フォルムのMini Guionをピックアップ。いずれも本体のみならずハンドルにまで中綿が入っていて肩にやさしい。細々したものを一箇所にまとめておけるインナーポケットや、ジップに配した紐の絶妙な長さなど、使う人に寄り添ったディテールの配慮もうれしい。ついでに、どんな着こなしにも合わせやすいニュートラルカラー。以上のポイントから、個人的には勝手に「心の緩衝材バッグ」と呼んでいる。

 

バッグ 大「Rectangulo Puff」¥36,300、小「Mini Guion」¥26,400 共に〈コキヨ〉

 

 

 

ノスタルジーが装いのスパイス。

大判の花柄スカーフ

〈エレフ〉のオリジナルファブリックを使用した〈フォーユー エレフ×ザシー〉のスカーフ。優美でチャーミングなフラワープリントは、デザイナーのフルールのアトリエに飾ってあった、父から譲り受けたという一枚の絵から着想を得ている。アイボリーをベースに、花と同じ深い赤で額縁に入れたかのように縁取った。とびきり上質なシルクは、なめらかな肌触りで暑い日に身につけてもストレスフリー。肩に掛けたり、Tシャツの上にビスチェ風に重ねてみたり、真知子巻きして日除けに活用してみたり。一辺67センチの大判サイズは使い手次第でいかようにも操れる。避けては通れない夏の悩みのひとつである、室内の冷房対策として応急処置的に持っておくもよし。

 

フラワープリントスクエアスカーフ ¥33,000〈フォーユー エレフ×ザシー〉

 

 

 

“なんだかいい”足もとに。

気の利いたモノトーンソックス

ストックホルム発の〈ソックス〉は、靴下好きのTHE SHEにとって、すでに定番のポジション。今季はリブの履き心地のよさにあらためて惚れ直し、素材の表情をより鮮明に堪能できるベーシックな色を多く仕入れた。左上のRED SHADOWは、足を通してリブが横に伸びることで隠れていた赤がちらりとのぞく仕掛け。右のHEADLINEは履き口と足首のリブ幅が異なる。プレーンながらクラシックなムードを漂わせ、スニーカーにも革靴にもしっくりくる。手前のMOONLESSはショート丈。ふくらはぎと足首の間の、脚のちょうど細くなった部分を狙った絶妙な長さ。ソフトなテンションゆえ、スポーツブランドのそれよりもカジュアルになりすぎず、レザーシューズにもマッチするありそうでなかった一足だ。どれもきっと、サンダルに合わせても可愛い。

 

ソックス 左上から時計回り「RED SHADOW」¥4,400「HEADLINE」¥4,400「MOONLESS」¥3,300 以上〈ソックス〉

 

 

 

Photo: Hazuki Aikawa Text & Edit: Erina Ishida