THE SHE

CSAO

セネガル生まれのパリブランド、
「サオ」の魅力。Vol.1

「CSAO」と書き、正式名称は「セ・エス・ア・オー」、通称「サオ」。出合いは、プロデューサーのサチが数年前に友達から、布バッグをもらったことだった。私たちは、布バッグ愛好家で、ほぼ毎日、肩から布バッグをぶら下げている。世界中のお気に入りの本屋のもの、ロゴや形が気に入ってスーパーマーケットで買ったもの、感動したエキシビションのお土産グッズなんかを、お互いにお土産として贈り合ったりしているので、お揃いもたくさん。つまり、「THE SHE」で、布バッグはおそらく一生、スタンダードなアイテムなのである。

「サオ」はパリジェンヌのオンディーヌ・サグリオによるブランド。セネガルで生まれ育った背景を持つ彼女らしく、アフリカンテイストのカラフルなプリントに刺繍を施した布バッグを作っている。私たちがいつも使っているコットンのエコバッグに比べて、ちょっと気が利いてて、色や刺繍がたくさん入ることで、着こなしがぱっと華やかになる感じ。だけど、布のトートだから気楽さはそのまま。パリでは人気セレクトショップの「メルシー」や子供服の「ボンポワン」、そしてシューズブランドの「クリスチャン ルブタン」などとコラボしている。手仕事ならではの刺繍は、「THE SHE」が今、大切にしたいことでもある。早速、プロデューサーのサチがアポイントを取り(彼女のリサーチ力と行動力は私の何よりの自慢!)、今年1月にパリ4区のブティックへ買い付けに出かけた。ブティックと、特別にその隣にあるショールームに案内してもらい、目にしたのは部屋一面にぎっしり並ぶカラフルで品のある布バッグ、そしてクッションの山、山、山! 大興奮しながらも、しっかりと吟味して選んできました。ぜひともチェックを! https://theshe-tokyo.com/category-items?category_id=2588709

選びながら聞いたオンディーヌの話はとても興味深いものだった。彼女は、美しい刺繍を施すことができるセネガルの女性たちを精力的に雇用している。年に5回、現地へ飛び、女性たちの生活を支援し、長く働き続ける環境を作っている。話を聞けば聞くほど、女子の、女子による、女子のためのプラットフォームと名打つ「THE SHE」として、どうしても「サオ」を取り扱いたい気持ちが高まった。そして、サオが作り出す「かわいい」の背景を少しでも日本で広げたいと思い、その場で取材の承諾を得てインタビューもしてきた。それは、次のVol.2で紹介することにして、まずは商品の魅力を紹介したい。

まずは布バッグ。「サオ」には大小2つの大きさのバッグがあるが、第一弾として、大きな横型のトートをチョイスした。理由は軽くて、ザックザク荷物が入って、布が柔らかいので大きくてもすんなり肩掛けして持てるから。オンディーヌも大きなサイズばかりを普段使いしているそう。私もショップでひとつ、自分用に買って、ここ3ヶ月くらい毎日使っている。しっかりした裏地つき、ジッパーつきのポケットがひとつ、ジッパーなしのポケットがひとつ。このポケットがとても便利で、貴重品やペン、鍵、携帯が大きなバッグの中で迷子にならない(細いけど意外と重要ですよね?)。パソコン、週刊誌、本、A4資料、さらには、仕事帰りに買った次の日用のパン、ノート、新聞、なぜか子供のぬいぐるみなど、とにかくまあ、荷物が入る、入る! 「かわいいね、どこで買ったの?」と女性からよく聞かれた。女子ウケがバツグンにいい。以前、モテる女子はバッグが小さいとかいう特集を、こともあろうに女性誌で読んだ。うるせー! 働く女性も子育てする女性も勉強する女性も、みんな、それぞれ毎日、荷物抱えて頑張ってんだよ! モテるためにバッグなんか選ばないわ。もう、令和はモテ企画なんてやめようぜ。はっ、話が逸れた。と、とにかく「毎日バッグ」として自信を持っておすすめできる布トートだ。気が滅入りそうになる4月、5月の自粛生活では、スーパーマーケットへの買出しに活躍した。 https://theshe-tokyo.com/category-items?category_id=2588706

毎日、使用している私物。もっと使い込んでくたくたにしたい。いつも心に自由を!ということで「ボヘミアン」ロゴをチョイス。今日はなぜかバッグの中に娘のぬいぐるみが入っていた。

クッションは、実はすでにちらほら、ファッションPRや料理研究家の知り合いから、問い合わせが入っている。布バッグ同様、アフリカンテイストの布、そして人気のリバティプリント生地に刺繍がふんだんに施されているため、決して安いものではないけれど、結婚のお祝いに、とか、リビングのとっておきのインテリアに、とか、実はパリに行くたびコツコツ集めていたという声が届いている。「おうち時間」の充実に一役買ってくれそうだ。
「サオ」には他にお皿や椅子、小さなサイドテーブルに花瓶など、まだまだ買いたいものがたくさんある。セネガルの女性たちに想いを馳せて、長く買い続けたいと願う。

また早くパリのブティックへ行ける日を待ち望んでいます。

「THE SHE」ディレクター・編集者 渡部かおり

Text : Kaori Watanabe