THE SHE

MUG

やっぱり言わせて、I love London。
ロイヤルマグで、お茶飲まない?

朝起きてお湯を沸かし、お茶を入れる。オフィスについて、パソコンを立ち上げつつ、お茶を入れる。休憩時間にお茶を入れて、窓際でぼーっと借景を楽しむ。夕飯を終わらせて、娘を寝かせたらお茶を飲む。深夜にお茶片手に、ネットフリックスを観る。よくよく考えてみると、1日に幾度となくお茶を飲んでいる。ブラックコーヒーは苦くて飲めないから、カフェオレ。旅するたび、ロンドンやスリランカで買う紅茶。生まれ故郷の名産物、ノンカフェインの阿波番茶。京都の焦がし番茶も好き。クスミティのジャスミンやデトックスティー。台湾の小漫で買った本場の烏龍茶やプーアール茶。ほっと一息、お茶の時間は大切だ。

ロンドンという街に恋い焦がれ、20代の後半、勤めていた出版社を辞め、ロンドンでライターとして働くべく、渡英した。英国の人たちは本当によく紅茶を飲む。マグカップに熱々の紅茶をたっぷり入れ、冷蔵庫から取り出した冷えたままのミルクを少し入れた、薄いミルクティを1日中飲んでいる。もちろん、私もかぶれまくって、まずは形から、と毎日飲んだものだ。

自分が過ごす空間に、テーブルに、デスクに、キッチンに、お気に入りのマグカップがあるとちょっと幸せだ。丁寧な暮らしとは言い切れないが、気分はよい。イギリスならではのもの、いろんなデザインを集めたくなるもの、というわけで「英国ロイヤルマグ」を、長きに渡り、大切に愛用している。英国のロイヤルマグカップは、結婚や即位周年の記念グッズとして作られるもの。時代によってマグカップのデザインもプリントも違う。国民人気が高く、即位の長いエリザベス女王モノが主流だけれど、それ以前のジョージ5世とかダイアナ元妃のものもある。

ロンドンへ行けば、出合いを求めて、週末のストリートマーケットへ繰り出すが、そんなにたくさん見つかるわけではなく、ましてや多くの中から選ぶというのはほぼ無理なのだけれど……、マグカップの神様は、THE SHEに微笑んだのだ!あれは去年9月、買い付けと取材でパリに出張中、興奮気味のサチ(私と同じくロンドンに住んだことがあり、英国愛に溢れている。)からメッセージ。「パリでまさかの英国ロイヤルマグ、見つけた! しかもけっこうたくさん!!」なにーーーーっっっ! パリの中心でロンドン愛が爆発し、次の日の早朝、2人で再度、乗り込んでみたならば、あるある、私も初めて見たくらいの量が並んでいる!

比較的、汚れの少ないもの、人気の高いエリザベス女王もの、そしてデザインやプリントを気に入ったものをごっそりと持ち帰ってきました。ちなみにこのブースのおじさんはロンドンのヴィンテージもの買い付けに太いパイプがあり、世界中に売りに出かけているとか。ナイスな出会いだった。

紅茶と一緒に食べたいのはなんだろう。ロンドンらしい、なんだか毒々しい色合いのレインボーケーキもいいし、チョコホリックの私らしく、ロンドンの老舗チョコレート屋さん、ロココチョコのシーソルト味もいいなぁ。さ、この入稿が終わったら、早速ロイヤルマグにお茶を注ごう。

THE SHEディレクター・編集者 渡部かおり