THE SHE

shinonagumo

帽子から始める、秋のおしゃれ支度

残暑という言葉を使う暇もなく、今年は9月になった途端に秋がやってきた。ファッションを愛する身としては、朝夕涼しくなるこの季節が1番好きだ。半袖から長袖へ、コットンからニットへ、素足からタイツへと少しずつ素材やアイテムが切り替わり、衣が1枚、また1枚と増えていくのが嬉しい。今年はどんなアイテムから身も心も秋へスイッチしていこうかと考えたとき、<シノナグモ>のハットが真っ先に頭に浮かんだ。

 

今年の夏からTHE SHEでも取り扱いを始めた<シノナグモ>、クラシックでとびきり上品なのにしっかりと日常使いできるところ、デザインと機能性の絶妙なバランス、そしてブランドシグネチャーであるリボン使いが人気の秘訣。

 

まずは、今年の秋に新しくTHE SHEに仲間入りした、大人の女性が似合うベースボールキャップから紹介したい。

ベースボールキャップといえば、ニューヨークヤンキースの本気のスポーツものとか、<パタゴニア>の後ろ半分がメッシュ素材のアウトドア全開のタイプばかりをかぶってきた。着こなしのハズしになる!と思っていたけれど、歳を重ねるごとに、着こなしのハズしどころかキャップ自体がハズレになってきた。唯一、プールサイドで水着を着ているときのみ許される、悲しいけれどそういうアイテムになっていた。そんなときに出合ったのが、このキャップだ。いたってシンプルなフォルムと落ち着いたネイビーの風合いで、着こなしのハズしどころか、逆に、洋服にしっかりと馴染むところが新鮮。ゴムのアジャスター部分の上に配置されたリボンと、細いゴールドメタルというディテールがあるため、女性らしさもキープしながらかぶれるのも新しい。今年の秋冬シーズンは特にワントーンのコーディネートが主流となりそうだから、ネイビーニット×ブルーデニム×この帽子、足元もネイビーのスニーカーを履いてみるのもよさそう。インナーだけ白のTシャツを選んでアクセントにしてみるのもいいかな。

 

立体的なフォルムを楽しむなら、フェルト素材がおすすめ。ベースボールキャップとワークキャップの型があり、かぶる人の個性をより一層際立たせてくれる。どちらもカジュアルなフォルムだけれど、素材が上質。そのバランスがなによりも魅力的だ。柔らかい素材の冬帽子、例えばニット帽などは頭にぴったりと添うから、耳の下からある程度、髪の毛のボリュームが出たほうが似合う。でもこの2型は上質なフェルト素材で型崩れしないため、ショートカットやボブの短い髪にもしっくりと馴染む。もうひとつ、個人的には、ヒールパンプスやブーディなどフェミニンな靴との相性もいいと思う。

 

冬のベレー帽はノスタルジックで大好き。<シノナグモ>では定番人気で、男性にも女性にも売れに売れている商品だ。ヴィンテージのメンズの木型から形をおこしているフォルムが、とにかく美しい。フロントのボリューム感とワイドの幅が絶妙で、360度、どの角度から見ても美しい。特に額や眉毛、目元をぐっとおしゃれに見せてくれるので、いつもの1.5倍、眉頭にブラシを入れて、アイライナーも長めに引いて、キリッとさせるのが気分。へとへとに疲れた日でもおしゃれのスイッチが入るし、必ず褒められるので、室内に入っても決して脱がない。

 

 

最後にカチューシャ。これは特別なヘッドピースとして、とびきりにファッション感度を上げたい方におすすめ。カチューシャは頭のてっぺんにつけるイメージだけれど、これは額上から耳上に向けて斜めにかけると、ぴったりと頭に沿う。これもフェルト帽と同じで、ショートカットの女性にも似合うところが特徴だ。大ぶりのリボンは後ろでクロスさせるくらいで風になびかせて歩いてほしい。通い慣れた道もなんだかフレッシュな気持ちで闊歩できそうな気持ちになれる。「気楽で便利」なファッションももちろんいいけれど、そろそろ着こなしにもドラマが必要、そんな愛すべきファッションラバーの手元へ届きますように。

 

Text : Kaori Watanabe <FW>