THE SHE

THE SHE TIPS

おしゃれのセンスは細部にこそ宿る

THE SHEで買い付けたアイテムを整理しながら、プロデューサーのサチと話をしていたときに気づいたことがある。長年、セレクトショップでバイヤーをしていた彼女の洋服に対するこだわりと愛情は大海原のごとくだが、話が盛り上がるのはいつだって洋服そのものよりも装い方について。「この襟の数ミリのリブの長さがねー着たときにいい感じになってさー」とか、「このスリットからちょっぴりパンツがのぞいたときに、この線がチラ見えして…」とか。木に例えるならば幹よりも枝、しかも小枝の先のような話をつらつらと繰り返している。一体全体、そんなところを誰が見るの?と思いつつも、あくまで装いは自分のためであるべきだ。そして、洋服は人が着て初めて成立するもので、装いの醍醐味は細部にあると改めて感じたので、こうして企画にしてみた。題して「THE SHE TIPS おしゃれのセンスは細部に宿る」、今回は、意外とあまり原稿にならないような小さなエッセンスを拾い上げて、我々のいつものやりとりのごとく、キャッキャと楽しくおしゃべりするような気持ちで綴る。

<エクストリーム カシミア>のキャミソールニットは、THE SHEが今1番おすすめする「小技」アイテム。「小技」とは、手持ちのアイテムに加えるだけで、劇的にファッション感度の上がるものという定義だ。このキャミソールも、TシャツやロンT、ニットの上から着るだけで、着こなしの可愛さが倍増する。ほどよくストレッチの効いたリブ素材なので、Tシャツのフォルムを少し締めてスタイルアップも望める。キャミソールの紐は長いので固結びしてびよーんと伸ばしたままでも可愛いし、リボン結びすればちょっとガーリーにアレンジできる。私は短くしたい! という方はガンガンハサミを入れてOK。そして実はニットだからお腹周りがポカポカ暖かくて、こっそりと腹巻としてもいい…なんて話している。(←小声で)

 

(写真左)キャミソールカシミアニット ネイビー¥27,000+TAX 中に着たリンガーTシャツ¥4,400+TAX/アップサイクル チェーン003¥10,000+TAX・チャーム013¥7,000+TAX・チャーム012¥9,000+TAX/ザシー(すべてTHE SHE)

(写真右)キャミソールカシミアニット ネイビー¥27,000+TAX 中に着たロングTシャツ 黒¥4,900+TAX/アップサイクル デイジーのネックレス¥6,900+TAX/ドファネット(すべてTHE SHE)

<ライト>のサハラドレスは、これからの季節、なんといっても重ね着が楽しい! 重厚感のあるウール素材のミントはそれ自体がパッと目を引く色だから、下に重ねるものがどんなものでも受け止めてくれる心強さがある。定番のグレーのリブカットソーを重ねてもちゃんとファッショナブルにまとまる。前から見たときの、襟と袖からのインナーの見え具合も絶妙。もちろん、横から見たときのフォルムや袖のふくらみもかわいくて愛せる。真冬になってこの上にさらにコートとなるとまた一段と楽しさが増す。そしてこの「サハラドレス」はなによりネックレスが映えるワンピースだと思う。インパクトのあるチャームをひとつ飾るもよし、細いチェーンを長さ違いで飾るもよし。

 

サハラドレス¥63,000+TAX/ライト 中に着たリブクルーネックトップ グレー¥13,000+TAX/シーサー ケールのネックレス¥8,200+TAX/ドファネット(すべてTHE SHE

 

 <ライト>のリバーシブルコートは、首元のチャイナ風ボタンのアクセントに目がいきがちだが、真髄はサイドスリットにある。大胆なサイドスリットがあるからこそ、ボトム×靴のスタイリングが楽しい。自己満足でもいい…、面白いスタイリングが完成したらば、鏡に映る自分を見て「よ! 横顔美人!」と拍手を送りたくなる。というわけで2例を紹介。

左:コートはキルティング面を表にして着る。ボトムは<エクストリーム カシミア>のニットパンツ。まずこの異素材のなじむようで、なじまないようで、結果的になじむ感じがいい。足元は収集しているチェッカー柄のソックスと、「キングオブスニーカー」だと思っている<アディダス>のキャンバス。コートに合わせて黒基調でまとめれば、カジュアルになりすぎない。(KAORI)
リバーシブルコート ブラック¥72,000+TAX/ライト カシミアジョグパンツ 霜降りグレー¥65,000+TAX/エクストリームカシミア(ともにTHE SHE)ソックス・スニーカー/私物

右:コートはウール面を表にして着る。1年中愛用している<KkCo>のリラックスパンツの赤くて細いサイドラインが、歩くたびにチラ見えすることに大喜び。ちなみに左側のサイドラインはブルーなので二度おいしい。これもまた、ウールとキュプラという素材の差異があってこそおもしろい、黒の装い。(SACHI)
リバーシブルコート ブラック¥72,000+TAX/ライト サイドラインワイドパンツ¥33,000+TAX/ケイシーオー(ともにTHE SHE)スニーカー/私物

 <ラストフレーム>のスカーフはまずグラフィックがとびきりにカッコよくて、男性からの注文も相次いでいる。スカーフは自由気ままに好きなように首元に巻きつけてほしいなと思うけれど、巻き方が知りたいとの声もたくさん届いているので、こちらもまた2例ほど。
左:シルクスカーフはエレガントな印象が強いけれど、普段使いのパーカとかスウェットにこそ映えるアイテム。<フリストフィア>のネイビーパーカの中にくるくると細く巻き上げて押し込んだだけ。スカーフを首元に巻くと思った以上にコンサバティブになってしまうのが悩みという方にはこれくらいがおすすめ。バラ×グラフィティスカーフ¥22,000+TAX/ラストフレーム オーバーサイズフーディー¥17,000+TAX/フリストフィア(ともにTHE SHE)

 

右:<ラストフレーム>のグラフィティを装いの主役にする場合。スカーフが三角形になるように二つ折り。パーカや襟に沿わせてひと巻きし、真ん中で結ぶだけ。
ドットスカーフ¥22,000+TAX/ラストフレーム シースルーフーディー¥30,000+TAX/ケイシーオー 中に着たロングTシャツ ネイビー¥4,900+TAX/アップサイクル(すべてTHE SHE)デニム/私物

これから先、着こなしの中心となるコートと<ラストフレーム>のフラップバッグの相性がとびきりによくて、ワクワクする。ボリュームがあって面積の広いコートと小さなバッグのコントラストがよい。たすき掛けしても片側にかけても、ストラップ部分がコートにピンと入ってなんとも言えぬアクセントになる。ちなみにこのフラップバッグは携帯、小さなお財布、リップ、ペン、薄い文庫本くらいは収納可能。

左:<ライト>のノースリーブダウンコートの下は、<アップサイクル>のシンプルな白のロンT。一見、なんてことのない着こなしだが、ロンTに色を合わせたフラップバッグを投入するだけで全体が引き締まる。「配色の妙」が実現する。
フラップバッグ 白×ダークグリーン¥16,000+TAX・フラップバッグ バーガンディ×アイボリー¥16,000+TAX/ラストフレーム

右:<ライト>のミントカラーコートのアクセントとして、パッと華やかなバーガンディのフラップバッグを斜めがけ。首元を少しだけ開くときや、完全にボタンを閉めて着るときは斜めがけがおすすめ。このリブ素材のストラップのクロスボディがいい味になる。
フラップバッグ バーガンディ×アイボリー¥16,000+TAX/ラストフレーム リバーシブルコート ジェードグリーン¥72,000+TAX/ライト 中に着たクルーネックニット ダークグレー¥30,000+TAX/ジーアールピー(すべてTHE SHE

 

Photo : Yumi Furuya Dezign :Yui Takuma Text&Edit : Kaori Watanabe