THE SHE

BIELO

日本初上陸、BIELOに夢中!

早いものでもう年末もすぐそこ。本格的な寒さも始まり、主役となるコートとニットは一通りある。ちょっと派手なデザインニットや、自分にとって新鮮なボトムに挑戦してみるかか。いやいや、SALEまで我慢しようかな、でも何かちょっと買い足したいんだよねえ。12月中旬とは、おしゃれを愛する我らにとってそんな時期ではないだろうか。

 

「おしゃれ迷子」になりがちな12月中旬に、THE SHEが満を持して入荷したのが日本初上陸、スペイン発の<BIELO(ビエロ)>というファクトリーブランド。スペインはラ・リャクーナというバルセロナから車を飛ばして1時間ほど、住民が900人程度という小さな田舎町でロメウ家が運営するニットウエアアトリエで作られている。小さな町で家族経営する工場……、そう聞くと最先端のファッションとは程遠いと思われるかもしれないが、実はすでにバレンシアガやマルニから声がかかり、企画から生産までを請け負うほどのグローバルプレイヤーだ。

 

商品の紹介に移る前に、もう少しだけ、このブランドの背景を紹介したい。80年代からこのアトリエを切り盛りしているプイグ・ロメウ曰く、技術とファッション性が国際的に認められるようになったターニングポイントは、なんと日本の職人技&的スタイルとの出会いだったとか。スペイン特有のニット技術と日本の編み物の伝統を組み合わせることで、当時、ユニークなメーカーとして進化したという話は嬉しいし、なんだか親近感が湧く。家族の最年少、ジョセフ・ロメオがその技術と情熱を受け継ぎ、よりモダンに洗練されたものへと誘って出来上がったブランドが<BIELO>だ。ちなみにオンラインミーティングの際は、寝癖をつけたままに早朝から家族総出で参加してくれるという、ほっこりエピソードも書き加えておきたい。

 

<BIELO>の魅力のひとつはやはり、色にあると思う。SACHIが「ヨーロッパだからこその色出し」と言う通り、日本でどんなに想像力豊かに生活を送り、製作をしていたとしても出し得ない色だと思う。もちろん紹介するためには、分かりやすくライトカーキ、ラベンダー、アクアブルーと名前がついているが、原稿を書きながら、言葉では到底追いつけないと感じる。上品で洗練されていて、自然界にある慣れ親しんだ色のようで、これだ!と断定もできなミステリアスなムードもある。だからどのアイテムも日本での日常着に合わせると、驚くほどに新鮮。街や着こなしとのちょっとしたコントラストが遊び心に一直線に繋がる。

 

THE SHEが買い付けたのはナイロンリブトートとシアーバッグ、つけ襟&カフ。まず、紹介するのはナイロンリブトート。ずっしりと重厚なリブ素材は丈夫で、PCも単行本も手帳も水筒も楽々入る。気分によって手持ちしたり、肩掛けしたり。基本的には布バッグ愛好家、レザーは重くて嫌、でももう少しだけランクアップしたいという方におすすめしたいバッグだ。

 

シアー素材のバッグは2型、5色。どちらもスーパーマーケットのレジ袋を思わせる、カジュアルなフォルムで、THE SHEの2人にとって永遠に愛するもののひとつ。コンパクトサイズはあえて左右の長さを違えた持ち手にし、クロスさせてワンショルダーとして使える仕様になっている。ピュアでどこまでも透明感に溢れた色使いが美しい。冬のよく晴れた日に、つい何度も太陽に透かしてキラキラと光るナイロン素材を見てしまうほどだ。小さく軽いので2個持ち、バッグインバッグももちろんおすすめ。

 

大きいサイズは肩掛け仕様なしの、レジ袋そのもの。荷物を入れたときの、少し縦に伸びる形状がなんとも愛らしい。どうやら春も引き続き、人気が広がりそうなグリーンとグリーン基調のボーダーの2色で、オーガニックなキウイカラー。

 

小ぶりのつけ襟とカフは、品と遊び心を兼ね備えた「プラスワン」アイテム。波型のニットつけ襟は後ろが紐仕様なので、緩く結んでたすき掛けにするアレンジも楽しい。カフはネイビー、ブルー、ライトグリーンの3色。変わり種のブレスレッドのように単体でつけるのもおもしろいと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

Text : Kaori Watanabe<FW>