THE SHE

ALL-IN-ONE

ファッション端境期こそ、スタンダード。つなぎが気分です。

お盆休みが終わり、気持ちは少しずつ秋へと向かっている。今年は特に、急激に寒くなってびっくりしたり、またすぐに夏日に戻ると聞いてげんなりしたり。長い低気圧のほかにも、コロナによる行動制限や不安も重なって、なんだか夏の疲れがどっと心と体にくるような感じがある。こういう季節の端境期は、毎年、何を買っていいのやら、何を着ていいのやらとファッション迷子になることが多い。今日も、すぐ近くにたまたま置いてあったボーダーTシャツをよろよろと掴み取り、10年選手のカーゴパンツをて軌道に合わせて、まあ、これでいいか…と外に出た。そして街中のガラスに映った自分を見て、全然ダメだとしょんぼり。こんなことではいかん!  しゃっきりと身も心も元気になるような、自分の背中を押してくれるような洋服とはなんだろうと考えたら、それはつなぎだった。

 

つなぎはTHE SHEの2人とっては永遠のスタンダード。疲れている時は、明るい色や派手な柄で気持ちを盛り上げるのもいいけれど、慣れ親しみ、どんな時も自分らしくいられるアイテムが元気をくれる。まるで風邪の時に食べるお粥のような慈悲深さすらある。歳を重ねた証拠だろうか。

 

ツナギは半袖はもちろん、実は長袖も真夏にちょうどいい。Tシャツを着て、腰のところで腕部分をギュっと絞ってパンツのように穿いたり、時には胸下まで引き上げて穿いたりする。どちらも意外と、地厚の生地でもボリュームがあるので風通りが良くて涼しい。室内に入って冷房が寒くなってきたら、カーディガンを羽織る感覚でそそくさと袖を通す。

 

THE SHEで今、取り扱いがあっておすすめのつなぎを紹介したい。まずは入荷したばかりの<P.LE MOULT>のストライプのつなぎ。

ブルーとマスタードの2色、ボーイッシュなストライプのつなぎはTHE SHEだけのエクスクルーシブアイテム。フロントのスナップボタンや小ぶりの襟も上品で、まさに大人が似合うつなぎの代表格だ。秋冬素材の少し地厚の柔らかいコットンだけれど、腰で袖部分をギュっと絞って着れば、今からでももちろんOK。白T、黒Tはもちろん、古着のロックTやカラフルなトップスを合わせるのも良さそう。

 

SACHIと私が半袖が着られる季節になったら我先にと袖を通すのが<DICKIES>。種類もサイズも色も豊富にあるが、女性にぴったりのものをL.Aで買い付けてきたもの。意外と?体のラインが綺麗に見えて、カジュアルになりすぎない。今はソフトグレーをサイトに置いている。半袖のツナギは秋になったらロンTを着込んだり、上から薄手のガウンを羽織ったり。THE SHE的にはドレスと同じように楽しんでいる。

 

半袖のつなぎはKkCoからもセレクト。光沢感のある細いプリーツ素材はとても涼しくて、品もある。1枚でも透けないが、中にタンクトップやボディスーツを着ると安心。少し涼しくなってきたらレギンスを重ねて裾をロールアップして、そのレイヤードを効果的に見せるのも楽しい。人気のつけ襟が小ぶりなサイズでくっついていて、取り外し可能。

 

些細なことかもしれないけれど、世の中ではなく、自分たちの基準で選んだスタンダードがあることは強いと改めて感じたTHE SHE2度目の夏。明日は、つなぎを着て心機一転、頑張ろうと思う。

Text : Kaori Watanabe<FW>