THE SHE

DIARY /

6月29日(月)

 今日は午前中からいくつかの打ち合わせやらアポイントやらをやっつけて、久しぶりに、大好きな先輩編集者の垂井さんとランチへ。私はkemioくんの大ファンなのだが、垂井さんもそうだということが発覚。彼の著書「ウチら棺桶まで永遠のランウェイ」は、冒頭に「ウチら」と入っていることがなによりすごいという話で盛り上がる。彼の言葉はどれも人の痛みを分かろうとする優しさが根底にある。そしてこれはkemioくん世代の特徴なのだと思うのだが、半径5m圏内にいる身近な人たち(つまりウチら)と、ずっと先の社会全体、ひいては地球を同時に大切にしている感覚がある。多様性が進む中、誰一人として傷つけない言葉は難しいのだけれど、誰一人として傷つけたくないと心に置いて言葉を放つことが大切なのだなと思う。今は、分かってくれる人だけ分かってくれればいいという時代ではない。まずは自分たちが幸せであることが重要ということは理解はできるのだが、そうじゃない時は周りにも優しくできないというのはやっぱり嫌だし、自分たちが傷つかないためには周りに迷惑をかけてもいいというのも嫌だな。自分に正直でありさえすれば、誰かを傷つけることも仕方ないという考え方も好きではない。
 そういえば日曜日に、石橋静河ちゃんが出ている『未練の幽霊と怪物』のオンライン上演を観る。机の上に置かれた舞台が面白い。そしてセリフとはまた別次元で強い思いを伝えるダンスに魅了される。吉本ばななの『体は全部知っている』という本のタイトルを思い出したりしながら観た。