THE SHE

DIARY /

6月8日(月)

 う…、ただいま深夜の2時37分。眠りにつく娘と一緒に本を読んで寝落ちからの生還。0623の法則はどうした!  娘が5歳くらいまでは読み聞かせやら、つらつらと想像に任せて口をついて出る物語を作って聞かせたりしていたが、ここ最近は大人が読む本を一緒に読んでいる。娘が尊敬する宮沢賢治や『魔女の宅急便』全6巻、トーン・テレヘンの『ハリネズミの願い』など。去年の秋かな、筒井康隆の『バブリング創世記』が復刊したときにふと見せてみたら、「ドンドンはドンドコの父なり。ドンドンの…」と音読しながら「こういう風な天才がいるんだね」と目を見開いて楽しんでいたのを思い出した。当時、娘は8歳。8歳の子供にもそんな風に思わせる筒井康隆は娘の言う通り、まごうことなく天才なのだ。そんな我々の今宵の課題図書は、シーグリッド・ヌーネスの『友だち』。大の犬好きにして、グレードデンの「デン吉」というイマジナリーフレンズ(空想の友だち)を持つ娘と読み始めてみた。アポロという老犬が亡き飼い主を偲び、孤独を抱える描写で、娘はひたすらに「デン吉」を撫でて慰めていた。客観的に見ると、ベッドに入った眠そうな子供が、手を空中に伸ばして左右に小さく振っているという図。娘の大海原のような空想力よ、永遠なれ。