THE SHE

DIARY /

6月4日(木)

 朝6時に起きて、原稿を1本入れる。テープ起こしをするといつも自分の声が低くて、なんだか恥ずかしくなるんだよな。そして時に、取材対象者よりも私の方がしゃべってることがある。なんなの、それ。しかし、やっぱり人について書くのは格別に楽しい。
 お昼前から、今1番気になっていたバッグ&スカーフのブランド「LASTFRAME」のショールームを訪ねる。あまりのかわいさと、ものづくりの背景に触れてテンションがブチ上がり、興奮しすぎて喋り過ぎ、途中で早くも声がガラガラになってしまった。反省。本当におしゃべりなんだから……。絶妙な色合わせとかフォルムの面白さから、大好きなロンドンの街が頭をよぎる。デザイナーの奥出さんにそう言うと、「そうなんですよ、なぜかロンドンですごく評判がいいんですよねー」とのこと。「このバッグの後ろ側に今、OASIS(発音はオエイシス)が見えました!」と続けると、「いや、それは見えないっすね。」とのこと。ですね、失礼しました。それにしても、真摯にものづくりと対峙しているブランドや人と接すると嬉しくなる。ワクワクする。ドキドキする。ファッションは時に軽薄に見られたり、表面だけの上滑りなものに思われたりする。「ファッションピープル」がものすごくネガティブな言葉として使われるように。でも私はファッションという概念を、哲学を愛している。ファッションを作り上げる人たちの真摯な姿勢も、チャーミングな人柄も、超オタクなこだわりも愛している。そこに群がるだけの実態のない人たちは無視だけどね。誰になんと思われようと、好きなことは好きだと言って生きていきたいな。そのためには、ファッションととにかく真摯に向き合っていかなくちゃな。
 そして今日は、出版社勤務時代の同期、瑞穂から、2人の愛娘のお下がりが届く。うちの娘はそれをいつもとびきりに楽しみに待っていて、ニッコニコの笑顔で、1枚1枚手に取っては胸にあてていた。今まで履いたことがないちょっと大人っぽいショートブーツに特にワクワクしたようで、TVを観ている間もずっと履いていた。コラ! 瑞穂、いつもありがとう。