THE SHE

DIARY /
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5月20日(水)

 Zoom打ち合わせのため、オレンジ色のグロスに手を伸ばす。直前にすぐぬれるようデスクに常備してあるのだ。コロナ、自粛生活関係なく、普段からあまりメイクはしない。保湿して、マスカラをささっとつけて、リップをぬるだけ。時々、アイライナーを目尻にピッピとするだけ。ショートカットだから乾ききらないまま外に出て、現場に着く頃に乾いているという有り様。空白の2ヶ月、猫の化粧ポーチの出番もまったくなく、しまい込んだまま。だけど最近、実は、とてもメイクに興味がある。雑誌『VERY』の2013年11月号で「お化粧が楽しかったあの頃の気持ち、思い出そうよ」という企画があった。娘もまだまだ手のかかる4歳で、はっとさせられたことを思い出した。こちとら、『VERY』的な素敵な奥様要素は皆無だが、そのタイトルは今でもものすごく心に残っている。さらに今年2月の「KANEBO」のリニューアルが響いた。モテるとか誰かのためとかじゃなく、自分のために施すメイク。自由だ。パリコレ取材で一緒になった、スタイリストの丸山佑香ちゃんがモードな着こなしに、ピンクのアイメイクをとびきり自分らしくプラスしていたことにも影響を受けた。2月下旬にパリでセフォラに行った時もマーク ジェイコブスとか、リアーナがディレクションするフェンティとか、日本未上陸のコスメラインもかなり楽しかったな。ビューティの概念はここ1年でとびきりに進化したと思う。これまでよく目にした「美しくなろうと思うあなたはもう美しい」的な精神論とか、そういう全肯定に見せかけた外からのジャッジはいらない。自分の気持ちを高揚させるための戦略的なメイクがいいと思うんだ。自分の顔くらい、好きにさせろい! という精神でいきましょう。というわけで、インスタや雑誌で見かけて気になったアイテムをポチポチ買った。自粛&入稿続きですっぴん+瓶底メガネの毎日だが、使える日が楽しみだ。