THE SHE

DIARY /

4月3日(月)

 3月31日から4日間、コロナや受験で長い間帰れていなかった実家へ。今や立派な老犬にして娘の育ての親、愛犬のきなことも久々の再会。いや、本当に育ての親。病院から連れて帰ってきたその瞬間から、里帰り出産を終えて東京に戻るまで、きなこは娘のそばを片時も離れずに世話をしていた。持ち前の聴力で、「ふえーん」と娘が泣き出す「ふ」の2秒前には私のところへ駆けつけ、「私の赤ん坊が泣いている。なぜ、あなたは気づかない? 乳を出せ」と催促した。沐浴の時間は小さな風呂のヘリに顎を乗せて観察していたし、寝ている時はお包みの横で自分も寝ていた。なんというか冗談抜きで私にとってほやほやの赤ん坊の育ての同志で、東京に戻る前日、きなこのふわふわの背中に顔面を押し付けて、巻き毛がびしょびしょになるまでおいおいと泣いた。「あのモチコロがこんなに大きくなって….」と思っているかどうかは分からないが、今回もぴったりとくっついていた。そして娘から犬用のマカロンやプリンをもらい、大変に幸せそうにがっついていた。お願いだから、長生きしてね。