THE SHE

DIARY /

10月29日(木)

 昼から<mame kurogouchi>の展示会へ。いつもはパリコレの初日に現地で見ている日本ブランドだけれど、今年はオンラインでチェックしていた。テーマがカーテンという当たり前に身近にあるものというのがいいなあと思って、写真もとても美しかったので、楽しみに出かけた。日の光に透かしたような淡いイエローのドレスや、レースのカーテンを襟にくっつけたようなブラウスが可愛かった。マメは若いアーティストや小説家の人たちに人気。それは洋服の中に物語が広がっているからかなあと思いながら、じっくりと見せてもらった。聞けばコロナでもさほどビジネスにダメージはなく、むしろアジアに取り扱い店が多くなったというから、たくましい。アパレルはコロナに直面して、毎シーズン抱えすぎている在庫やら、なにかを真似しただけで安価な商品の大量生産やら、業界のルールによる半年サイクルシステムの矛盾やら、無理やりに蓋をしていた問題が一気に外へ吹き出した。意志がある、尊敬される企業やブランド、本物だけが生き残れるのだろうし、それでいいのだと思う。そして時代は移りゆけども、年を重ねようとも、私はファッションを愛する気持ちは絶対になくならない。ファッションピープルってネガティブに使われることが多いけど、誰に何を言われようと、私はファッションにまつわる事柄を仕事にしていることに、誇りを持とうと思う。ファッションとは決してアイテムを指すわけじゃなくて、装いのことであり、装いとは生き方そのものだから。などと今一度思いながら、地下鉄に揺られて帰宅。
 明日、学校でハロウィンパーティがあるという娘。保育園の頃から一貫して、仮装は『魔女の宅急便のキキ』。新調した黒のワンピースに、赤いリボンのカチューシャをつけ、黒猫ジジを抱えて前撮り。